社会人劇団というワードは好きではない。
もし、これが通じるのであれば、「劇団」というのは専業ということになる。しかしながら、星の数ほどある全体で「食っていける」のは一握りだ。
このような時代だから述べるが、平田オリザの考えのとおり、欧州とは異なって文化芸術の実体を担っているのは民間セクターだ。つまり、地域ごとの劇場があり、公的セクターに雇われているわけではない。「収入保障」が得られない。
8割は生活手段との両立だろう。ではアマチュアかといえばそうではなく、料金からいっても、質からいっても、プロと遜色しない。年間観劇数がコンスタントに200を超えていた私がいうのだから間違いない。これをセミ・プロと呼ばずして何と呼ぶか。つまり、日本の演劇を支えているのは巨大な中間なのである。社会人劇団と区切るのは これを見れていない。
それでも、私は スリー・クウォーターには好意的だ。いちど観劇してみればよい。つかこうへい の偉大さを改めて感じさせてくれる。荒削りな役者陣の熱量を吸収する、汗が沁みわたる不朽の名作たちだ。
映画役者の端くれである「大部屋俳優」ヤスを演じる ぽんず の哀愁が眩しい。そして、少年のような純粋な目とのギャップ。
プロレス・シーンなどでの脚色も、それなりに笑えた。