満足度★★★★
第25回読売演劇賞、3賞 受賞作(最優秀演出家賞、優秀作品賞、優秀女優賞)。
脚本は永井愛女史。発想のきっかけは、当時の高市総務大臣の電波停止発言らしいが……。
総務大臣による「放送局が政治的な公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、電波停止を命じる可能性もある」という発言。根拠となるのが、放送法第4条と電波法第76条。この問題に真摯に向き合い痛烈に批判した風刺劇、または啓蒙的とも思える芝居。劇的にも時間(放送は今夜)と空間(テレビ局内)を限定させ緊迫感と緊密間を表し、観客に緊張感を持たせるサスペンス風な展開。支配するのは、人でも物でもなく、その場の「空気」である。そして緊張が解かれた2年後…そこに近未来の日本の姿が…。
観応え十分な作品であった。
この問題提起と思える重厚な作品を俳協のCLIMBING UP準劇団員公演として上演。
脚本は面白いが、どうしても演じる役者陣の役柄と経験・貫禄(外見的風貌も含め)不足のギャップ、その違和感が観えてしまうところが残念だ。
(上演時間1時間50分)【Bチーム】