陰陽師 公演情報 BACK ATTACKERS「陰陽師」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    エンターテーメントのような公演。物語を観せるというサービス精神はうかがい知ることが出来るが、何か強い”思い”というものは感じられなかった。冒頭は、人間と妖怪というか魔物の対立構図のように思われたが、途中から変容していくようだ。
    小難し理屈は抜き、一言でいえば楽しい娯楽劇。
    (上演時間2時間弱)

    ネタバレBOX

    舞台は中央奥に台座のような物が置かれているだけ。そのシンプルな造作はアクションシーンのスペースを確保するため。物語は東京の山手線内の四方に結界を張り、人間(陰陽師)と妖怪の戦いを思わせるが、途中から妖怪にも善悪といった区分を示す。

    善妖怪は、例えば戦時中における徴兵制に反対もしくは障碍者で戦地に出征できない者を侮蔑として妖怪と呼ぶようになった、との批判。また遥か昔から守り続けてきた”謎の箱”の存在は”パンドラの箱”(まさか男女グループの競い合いまでの深読みはないでしょうね)を連想させ、世に災いが四散し、残ったのは「希望」という展開にも思える。この世界観の広がりと東京・山手線、もっと言えば新宿歌舞伎町といった局地的な舞台背景になっていく。同時に陰陽師と善妖怪が協力し悪妖怪(あらゆる災い)を退治するといった勧善懲悪の物語へ。先の戦時中の話における非国民=妖怪という差別を観せることによって、ラストの人間と妖怪の共生を印象付ける。部分的に教訓的なシーンを挿入することで物語に意味付けをしているように感じた。そこが少しあざとらしく思えたのが残念。

    陰陽師/相棒による漫才的な笑いを挿入し、除霊時に使用する小道具や所作など、観(魅)せる面白さ。陰陽師の男・女グループによる能力自慢、それをダンスやアクションシーンとして表現する。演出としては相当の遊び心を持って観客サービスを意識しているようだ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2020/02/23 11:58

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