期待度♪♪♪♪♪
この作品の作家三好十郎を語る上での評価がもう一つぼんやり。「かつて滝沢修がやった」と聞けば、「あの炎の人のゴッホ役を見事にやり遂げた」という言い方の中に「役者」に対する評価が読み取れるが、「芝居」の評価は見事に回避されている。そして「作家三好十郎と言えば」、の枕に続くのは「浮標」とか「受胎」「冒した者」「その人を知らず」、あと「斬られの仙太」。レ・ミゼのように言わずもがなな演目なのだろうか。それとも画家ゴッホの価値が彼の評伝劇の価値を保証しているとでも。
考えるだけ面倒なので、折角の機会、新劇団所属とは言え現代人である演劇青年(彼は文化座で二度画家の役を別の芝居で演じた)のゴッホを観てみよう。