満足度★★★★
脚本が秀逸で映画向きの題材。英国にて暮らす女主人公が結婚する予定の英国人とその母を伴い四年ぶりに故郷、日本に降り立つ。なかなか一筋縄ではいかない実家に待つのは・・・。主人公の母親役、七瀬なつみさんが美しく巧く惹き付けられる。この空間にずっしりと君臨する薫りのような存在感。父親役の小田豊氏も抜群のキャラクターで場を盛り上げる。リアリティーに拘り抜いた演出。英語の台詞には可動式の柱のような数本のヴィジョンに同時進行で字幕が映し出される。夢のような舞台装置だ。これさえあればありとあらゆる国の最新の舞台を十分楽しむことが出来る。音楽も素晴らしいセンス。一瞬も飽きさせないよう工夫を凝らした濃密な空間。日本人論としても面白い。役者のレベルが高い。薔薇のプレゼントもあり。