少年B♥KR-14【柴幸男】 公演情報 キレなかった14才♥りたーんず「少年B♥KR-14【柴幸男】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    繊細な戯曲が心地よい
    今まで演出技法に目が行っていた柴幸男さんの作品は、とても繊細な戯曲の心地よさに身を委ねられるような作品でした。

    凄く好きです!

    今回の作品に「14歳」という冠が付いていたから、過去の自分を振り返る的な内省的な方向へ向かうのは作家としては正しいと思います。

    柴さんの作品は例の酒鬼薔薇の事件的な香りを漂わせつつ、他の年代が14歳だった時とは違う、本当に「その頃の柴さん」に問いかけるような作品になっていたかもしれないけど、でもそれがあまりにも普遍的な題材を取上げているので、見ている人だれもが共感できるような懐かしさのある作品に仕上がっていたと思います。

    ネタバレBOX

    学校襲撃のシーンとかは明らかにブルース・リーを意識した動きでバカバカしいのだけど、柴さんの年代だと中学生の時にブルース・リーに心酔するというのは無いよなあ、と思ってみていたら、最後は37歳の「自分」に辿り着く。
    なるほど、確かに今37歳ならブルース・リーもありえるね。

    37歳というのは多分主演の岡部さんの年齢なのだと思いますが、柴さんとは年齢に開きがあるのに、37歳の人生崖っぷちで最後の決断を迫られているような感じが最後に良く出ていました。
    そんな中、自分が参加できなかった合唱祭に参加して皆で歌う部分はグッと来てしまいました。

    でも、一番グッとくるのは、思い出の場所が巨大マンションになっていたりとか、時が経つだけでなく、風景まで変わってしまうというという中で、自分だけ取り残された様な状況に焦りを見せる、終盤の主人公そのものかな。

    演出的には色々な事を試しているけど、「これ」というひとつに絞らないで、あくまで戯曲ありきの演出で、演出中心から戯曲中心にシフトしつつあるのか、今後の柴幸男さんの作品が楽しみです。

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    2009/05/02 14:18

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