成り果て 公演情報 ラビット番長「成り果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    初演(「グリーンフェスタ2016賞」受賞)、再演(「第29回池袋演劇祭大賞」受賞)も観ているが、本公演は先に受賞した時の劇場より少し大きな紀伊國屋ホールだ。全体的に上手くまとまった感じであるが、身近な緊密間というよりは少し距離感のあるような印象。それだけに緊密=親密を好むかどうか。その意味で身近な勢いか、距離ある整いか、舞台によってこうも印象が違うとは…やはり演劇は奥が深い。
    (上演時間2時間強)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、三方向から観せる。何の変哲もない舞台が、中央扉を両開きすることで上手・下手に話を振る。その上部に対局場面を設ける。舞台は上下の2階建てであるが、その雰囲気は上階の勝負という静寂、下階の生活という活気といった対照的な観せ方。将棋のタイトル戦は、盤上をTVで映す時は天井からカメラを回すが、この芝居ではその逆、上階で俯瞰するような位置取りをし、さらに下手側モニターで盤上を見せるというリアルな工夫。上手扉側が、森将棋道場の そして奨励会会員であろうメンバーが騒がしく指手研究をしている。一方下手側は、物語の本筋...森家の家族や幼い時から出入りしている天野兄妹の話。初演時は、この三方向の演出のバランスが少し悪く集中力が分散されるように感じたが、本公演ではまとまりがあった。

    物語はいくつかの話を実に巧みに構成...一つは、プロ棋士とコンピューターに搭載された人口知能との対戦。人口知能が自己進化するという、将棋というアナログ世界とデジタル世界という異次元対決を持ち込む。もう一つは、プロ棋士になれず挫折した人間...その男を通してみた生き様。そこには夢を追い続けて、その人間味が溢れているところ。この両極をしっかり描き、芝居としてまとめあげている点が素晴らしい。

    途中、コンピューターの自己進化に”嫌悪”的な描きも見えたが、この人口知能、人類にとっての存在価値を問うような...。しかし異なる役割は優劣を争う存在ではなく、それぞれの役割を果たすという根本的なこと。また母子家庭で育った兄・妹の将棋世界での生き残り方を感動的に観せる。それぞれの想いが伝わる演劇の醍醐味、しっかり受け止めさせていただいた。

    最後に物語を印象付、牽引するための工夫が好い。泣き笑いを強調させるような舞台技術ー照明効果としてのピンスポットや階調、効果的な音楽を用いるなどー多くの人に楽しんで観てほしい、そんな思いを感じさせる丁寧な公演であった。
    次回公演も楽しみにしております。

    4

    2020/02/08 17:06

    4

    0

  • 鈴木彩愛 様

    公演、お疲れさまでした。
    終演後のホールで話しが出来て嬉しく思います。元気いっぱいの演技、ラビット番長に新しい風が吹き始めましたね。次回公演も楽しみにしております。
    寒さ厳しきおり、体調に気をつけてください。

    2020/02/11 19:11

    タッキー様
    ご来場ありがとうございました‼︎ご感想ありがとうございます(^。^)初めての紀伊國屋ホール、すごく勉強になりました!

    2020/02/11 18:21

    えざき 様

    コメントありがとうございます。
    そして公演お疲れさまでした。とても好い芝居でした。次はアトリエ公演でしたっけ?
    寒さ厳しきおり、体調にはくれぐれもご注意ください。
    次回公演も楽しみにしております(^_^)

    2020/02/09 23:26

    タッキーさん!!
    ご観劇いただきありがとうございました^_^
    ご感想も細かなところまで観ていただけて嬉しいです!!

    2020/02/09 17:53

このページのQRコードです。

拡大