苺と泡沫と二人のスーベニア 公演情報 ものづくり計画「苺と泡沫と二人のスーベニア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    今を生きる27歳の女性達の姿を描いた公演。物語は屁理屈ではなく感情、それも恋愛感情を中心にして展開していく。構成は本筋と脇筋があるように思えるが、本筋と思える主人公-海沢みなみ と實方研二郎の恋愛模様が上手く表現出来ていないのが残念。逆に脇筋である みなみ の高校時代からの友人達の姿を通して27歳の女性の考えなり行動の一端が分かり易く描かれているが表面的だ。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、上手側に居酒屋テーブル席、中央は一段高い段差を設けた深夜スナック?、下手側は壁際に椅子2脚のみ。柱のようなもので空間を区分しているが、居酒屋・スナックという場所を作り込んでいない。このセットはシーンに応じて居酒屋、スナックという空間を共有していることから、それぞれの空間を固定させない工夫。

    物語は、2人が付き合いだして6年が過ぎ、最近お互いの気持が解らなくなってきた。そろそろ”結婚”という言葉もちらつき始めたが、何となくチグハグした気持と行動。その結果、みなみ は別れることを決心し、新しい恋愛へ…。この本筋が、何故気持が解らなくなってきたのか、その描き方が弱い。一方、みなみ の高校時代の友人5人は27歳の等身大の女性を描く。と言っても早い段階で自己紹介(名前と職業など)をするだけで、それ以降も1人ひとりを掘り下げた描きがないため群像劇にもならない。2人の恋愛でも群像劇でもない中途半端な印象だ。ここに映画と演劇の観せ方の違いがある。フライヤーにある”私たちのたしかな賞味期限”という、20代半ばの焦燥のようなものが透けて見えるだけで、切実度は弱い。

    物語で印象的なのは、女性の27歳というのは恋愛や仕事にも微妙な年代であるということ。年齢をもって容姿や思考を云々する理屈よりも、優等生面の友人の不幸を面白がる、SNSで絡まなくなる(連絡なし)などリアルな感情表現が面白い。例えば高校時代から優等生で仲間内で唯一結婚している浅野京子、彼女は地方銀行に勤めたが、合併の影響でリストラされ再就職は難しいという状況。そして夫からは離婚を迫られるという悲哀、それを面白がる姿も…。また保育士の給料が13万という台詞から、経済的に生きづらい実態を語る。こちらの脇筋が27歳女性-賞味期限-が実にリアルに伝わる。その意味で本筋と脇筋が上手く絡まれば、もどかしく表現し難い感情がもう少し伝わると思う。

    物語の途中でダンスや歌(カラオケ)といった観(魅)せるサービス? 物語を分断しない工夫をしながら挿入する。舞台セットの色使い(白いテーブル・椅子、赤い敷物、段差ある上部はピンク)や外観、物語の展開の印象はポップ調。明るく元気な芝居は楽しめた。
    ちなみに、たびたび出てくる苺ケーキは、その昔言われたクリスマスケーキ(25日→女の25歳過ぎ)の売れ残りの比喩であろうか?
    次回公演も楽しみにしております。

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    2020/02/08 11:50

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