トタン屋根でスキップ 公演情報 ここ風「トタン屋根でスキップ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/02/06 (木) 19:00

    価格3,500円

    前回の『ッぱち!』に引き続き、
    ここ風観劇。
    おおざっぱな物語の形として、

    どこかで傷を抱えた人が、
    人生の「ホーム」みたいな場所を再訪して、
    人間関係や抱えた傷を修復して、
    旅立っていく

    みたいな事が共通していて、
    あぁ、これが団体のカラーなのかしら、と。

    わりとこういう「ザ・人間ドラマ」みたいなものが、
    私苦手なんですけど、
    前回に引き続き楽しく観ました。

    いかにも「良い話」を紡ぐプロットなのだけど、
    人物のほとんどが関西弁&ノリが関西人、
    という所が、
    「泣かせますぜ!」
    みたいな空気を微塵も感じさせないのが良いのかもしれない。
    結構深刻なシーンですら、どこかに茶々を入れてくるバランス感覚が、とてもよかった。
    関西弁世界に適応するまでの序盤はやや違和感を感じるものの、
    いつの間にか世界に引きずり込まれている感じがする。

    前半に、人間関係の「謎」みたいなものを匂わせておいて、
    後半怒濤の伏線回収をしていく感じも楽しい。
    「えー!そうだったのか!」
    と素直に入り込める。
    匂わせ方も、あからさまでなく、かといって全く気づかないわけでもなく、
    関係性の「しこり」みたいなものが丁度よく見えてくる。

    後半に入ると、伏線回収のためもあって、
    結構、「昔の出来事」を人物がわりと長めに語るシーンが多くなる。
    そんなに昔の事をぽろぽろ喋るかしら?
    と感じなくもないものの、
    いやいや、喋るか。と思ったりするので、
    捻り出すように語られる「しこり」も違和感なく観られる。

    一つの場所に集う人々が、
    もつれ、からまり、ほどけていく。
    うまくいかない、けどそれでいい、
    みたいなとこがあって、
    生きてゆく事の肯定、みたいな事を感じる。

    良い話だった!感動しました!
    という感想を素直に出せる、
    押し売ってこない感動。
    舞台の良い話で泣く事なんて滅多にないんだけど、
    少し、じんわりきました。

    ネタバレBOX

    願いのような、祈りのような、僅かなファンタジー要素が、ひどく刺さりました。
    ラストシーン周りに関してはもう、
    「そこまで語らなくてもしっかり観てたから伝わりますよ!大丈夫です!」
    という気も、少ししました。
    うっかり聞き逃してると「?」ってなる可能性もあるけれど、何も説明なくても、
    グッとくるシーンだなぁ、と思います。


    全体的に、喜劇と悲劇の間をいくバランス感が、
    絶妙なんだろうなー、なんて思いました。
    この団体がチェーホフとか上演するの観てみたい。
    と思ったりした。
    きっと、面白い。



    さて、この団体に、
    香月健志、という俳優がいるんです。
    僕が文学座の研究生だった時分に同期だった男なんですけど、
    尖りすぎて字が書けない鉛筆、
    みたいな俳優だと思っていたんです、当時から。
    その香月くんが、これ以上ないくらいに、
    その性能を発揮している!
    さすが所属団体!
    と、前回も今回も思いました。
    出てくるだけで、客席の空気が優しくなる、
    稀有な才能だと思います。
    私の、密かな推し俳優です。

    そして、後藤英樹さんの雰囲気が、パーフェクトに素敵でした。

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    2020/02/07 19:52

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  • こちらにも感想を‼️ありがとう❤️
    これからもここ風共々よろしくね😊

    2020/02/08 09:49

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