鳰の海 公演情報 劇団TRY-R「鳰の海」の観てきた!クチコミとコメント






  • 天下を取るまであと一歩に迫った織田信長は評価が二分する。人によっては その先見性を褒め称えるし、肉親ですら見捨てたそのリアリストぶりは残虐であるとも言い伝えられる。いずれにせよ、現代の世からすれば典型的な「パワハラ」タイプの上司だったのだろう。

    その子孫が司直に訴えた。訴えられたのではない。フィギュアスケート界の一線者である織田信成さんは指導する大学の活動で、スポーツに費やすだけでなく学業にも励めるよう「改革」を浸透したかったらしい。いわゆる文武両道といったところだろう。しかし、抵抗勢力とばかりに立ちはだかったのが女性上司であった。その対応に陰湿さなど、問題がなかったかが問われることになる。

    彼からすれば精神的悪質タックルだろうが、チームワークよろしく氷上ならぬ舞台上で台詞をパスしていったのが本作である。日本大学芸術学部演劇学科の生徒が このような発表の場を設けるというのは珍しい。しかも、小劇場の実力派俳優3人も加わっている。


    私は「悪しき平等主義」には賛成しないポジションである。これを明らかにしておいた方がいい。どうも、本作は妖精のようにアミニズム化しており、言葉遣いなどを幼稚化することによって超越性・絶対性をみせたかったように思う。しかし、ビジュアルからいえば、そこは学生に絞るべきではなかったか。つまり、「若い学生」という一覧に、中年の外部出演者が 妖精として その一員になることによる違和感みたいなものを抱いてしまう。また、個人的見解であるが、「20歳」がフレッシュとは思えない。16歳とか、17歳とか、いわゆるティーンエイジャーの専売特許だろう。


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    2020/02/06 01:23

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