少年B♥KR-14【柴幸男】 公演情報 キレなかった14才♥りたーんず「少年B♥KR-14【柴幸男】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    『あゆみ』以来
    ものすごくドキドキしながら期待して見てしまったんですが…

    あれはどう使うんだろう!?
    あれがどうなるんだろう!?

    …別にどうにもなりませんでした。
    心落ち着けて静かに見るのが正解かも。

    派手さはないけど、深さを感じる舞台でした。

    ネタバレBOX

    壁面には鉄パイプが組んであります。
    その延長で床面にも灰色のビニテで格子模様が全面に。
    そこに脱ぎ散らかすようにあるたくさんの服。
    これをどう使うのか…!

    主人公は14才の男子中学生。
    彼の周りでは動物殺しの事件が起きているが、彼がこれといって鍵になったりするわけでもない。
    クラスメイトと漫才の練習をし、不良の同級生にいじめられ、好きな女子にドギマギする日々。
    その中でたまに差し込まれる妄想(エイリアンをやっつけたり、告白されちゃったり、不良に一矢報いたり)と、
    何もすることができない現実とのギャップがなんとも…苦笑い。

    この妄想と現実の間に演出上の違い(照明や音響や特別な効果)が入らないんですよね。
    同じシーンが繰り返されることによって、「あ、さっきのは妄想だったんだ」とわかる。

    散らかった服はほとんど衣装で、学生服だったりパジャマだったりジャージだったり。
    主人公の状況に応じて他の役者さんが一生懸命着替えさせてました。
    これ一見するといらない演出のように見えるんですが…。
    どういう意図だったのかな?
    一人じゃ何もできないことへの暗喩?

    出番のない出演者も全員舞台上にいて端っこから主人公をずっと眺めてる。
    これも演出家の目線のような気がしました。

    14才の愚劣さ、軽率さ、鈍感さ。
    馬鹿で小さくて何も出来ないのに何でも出来るような顔をして、他人を馬鹿にして自分を過大評価して、なのに一歩も踏み出さない。
    そんな14才に対する侮蔑の視線。

    でもどこかしらに14才に対する憧憬もあるような気がしました。
    だって絶対輝いてたもん、14才。
    今ではできないと理解してしまったことを、14才はできると信じ込んでいる。
    馬鹿だなぁ。でも愛しいなぁ。

    その表現として合唱コンクールってすごくいいと思った。
    だってもう出れないし!
    唾飛ばしながら大声で歌ってさ!

    演出という観点で言えば、『あゆみ』の時ほどのインパクトには欠けてた。
    というところで若干がっかりしてる自分がいる。
    でも良作には違いない。

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    2009/05/01 13:49

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