少年B♥KR-14【柴幸男】 公演情報 キレなかった14才♥りたーんず「少年B♥KR-14【柴幸男】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    僕って宇宙人だったらいいなと思い続ける、ちょっと哀しい物語
    自分の妄想に囲まれて、自分だけは周囲の奴らとは違う特別な存在であると思っている(と思いたい)中学生の頃。
    それは、中学生のときだけのことではなく、今も、ずっと続く想いなのかもしれない。
    素晴らしい役者になって、とか・・・。

    ただし、中学生のときには、かなり本気でそう思っていたのだが、今となっては、なんとかその想いを捨てようとする気持ちも働く。どこか恥ずかしい気持ちがあったりするからだ。
    もういい歳なんだから、そろそろ・・・なんていう気持ちだ。

    ネタバレBOX

    宇宙人のグレイとは、特別な存在を具現化したもので、そして、本人も宇宙人であることを忘れかけている。つまり、まだ表には現れていない特別な僕。

    そのグレイは、徐々に宇宙人ということを忘れていく。そして、表面にかぶった人間の姿は、グレイと一体化していくという。
    それは、時間(年齢)とともに特別な存在だった(はずの)僕が消えていく様子なのだ。

    成人したクラスメイトの、そんなはずじゃなかった姿を見るにつけ、それをストレートに感じてしまう。
    で、今の僕はどうなのか? と主人公自身に問いかける。
    まだ、宇宙人だと思っているのかという問いかけだ。

    いつまでも秘められた宇宙人であり、それがいつしか現れてくることを、どこか、やっぱり信じている作者の姿が投影されていた作品だったと思う。

    学ランを着た30代の役者の姿は、中学生を演じているのではなく、今の正味の30代を見せていたのだ。

    ラストは、作者が自分から自分へ向けたメッセージであり、少々甘くて、前向きな(ある意味普通な)のは、そういうことなのだろう。
    そういうこととは、これからも、特別な自分をなんとかあがいて目指すという宣言だと受け取った。

    女生徒の井上さんは、舞台の他の役者さんたちを中学生につなぎ止めるためには、まさにうってつけであり、その効果は、かつて男子生徒だった自分にとっては抜群のものだった。自分の昔の記憶にちょっとリンクしたりして。

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    2009/05/01 05:40

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