イヨネスコ『授業』 公演情報 楽園王「イヨネスコ『授業』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/01/22 (水) 20:00

     左右ほぼ対称の部屋、授業がそれぞれの部屋で行われる。
    開演と同時に、上手の部屋では長い手錠をした白い衣装の女性がうつぶせで倒れている。
    戸惑う教授、それを諫め落ち着かせながらも、手際よく死体処理の手はずを整える女中マリー。この舞台の主役は、マリーである。そうか、毎回、「授業」を観るたびに不思議に覚えていたマリーの所作。これをどう舞台上に位置付け、演技を構築するかが肝なのだと、今回初めて思った。だから、公演毎に毎回マリーは舞台の違うところにいるのだ。
     でも、こんな展開だったっけ?こんな話だっけ?
     その後、舞台の下手で、生徒と教授の授業が展開されるのだが、、、

    ネタバレBOX

    上演時間も半ばに差しかかると、上手の壁に、作品名と役者の名前が投影され、これから舞台が始まるのだというふうに、上手の部屋で新たな物語が始まる。生徒が訪ねてくる、迎え入れるマリー、教授の授業が始まる。数学から、禁断の言語学へ。生徒は、下手の部屋の生徒同様、歯が痛いと言い始める。
     そう、開演時の上手で死体となっていた生徒が40番目、次に下手で殺される生徒が39番目、その次に上手でどのような経緯で40番目の生徒が殺されたのかを描くといった構成。
     そう、教授はついさっき生徒を殺し、また次に生徒を殺し。彼を悩ませる(教授にとって不服従に思われる)生徒という存在を、ただただ自分の知識を披見させる目的で殺していく。
     なるほど、イヨネスコの「授業」を無限の連鎖として描いたのだな。ただ従順で、かつ愚かでありながら賞揚される生徒の存在は、教授のとめどもない狂気に飲み込まれていくというわけだ。繰り返され継続されていく独善の饗場が描かれる。演出に拍手。
     繭さん、もっともっと激しくエッジを効かせて狂わないと。もっと良い声音が出ると思うのだけれどねえ。少しもたつきが気になる。

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    2020/01/24 18:09

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