2020年以降の夏 公演情報 くによし組「2020年以降の夏」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    3話のオムニバス。「忘れる」ことって、つい先だってのEPOCHMANでも感じたのだが、物凄く、物語を生み出すことなのだと今作を観ながら、感じた。
    2話目の「私の頭が消しゴム」個人的にじわじわっと、目頭にきた。コミカルな「私の頭が消しゴム」流れではあるのだが、けし子の呟きがジンと来てしまい、暗転で涙をふく。森田ひかりさんの役や、篠原正明さんの役、取り囲む人々が温かい故に、より切ない。ただ、このホンや、演出というのが新鮮だった。依乃王里さんの役が、なかなか、イカしていた。こういった感じって、似合う人じゃないときついので、適役であったかと。勇気無くお声かけ出来なかったが。一話目「セミ人間と恋した夏」は、変則の恋の話。「セミ人間と恋した夏」エゴと純粋さの紙一重感を感じた。自分の「大事な」テリトリーに入ったことによっての差別化は、きっと、どんな人間も持ち合わせているなーと、観ながら思う。
    他者を想ってるようでも、「自分」が基準。「晴れた日」三話目。子供のころ、思い描いた「未来」がそうは簡単には訪れないと悟った大人になってしまった気持ちになった。技術、医学、テクノロジーの進化。でも、そこには、明るいだけの未来ではないのかもしれないとか、そして、度々現れる「戦争」というワードが物凄く、頭に残る。今作、表に流れるリズムと、裏に流れるリズムがバランスが良い。観終わって、色々考えたくなる作品だった。

    中野智恵梨さんは、美人さんで更に、なんか、面白ビームを炸裂するからズルい俳優さん。こういった役、好き。次回Ammoも楽しみ。クロムモリブデンの花戸さんは、久々に拝見したが、飄々として尚且つ色気がある人だなと。
    三話とも、演者の力が安定していて、観ていて心地良かった。
    面白いホンだったし、こういった切り口の切なさ、命に関しての感じ方、差別や、戦争、技術の進歩‥‥。
    もしかすると、こんなミライが
    「来る」かもしれない。純粋であれば、あるほど、人はワガママになるし、ズルくなるし、どんな事をしても良いと思うものだ。その姿は、側から見ると、狂気すら感じる。
    ただ、その姿は、真っ直ぐに誰かを想う姿でもある。
    表裏の妙。
    切なさを切ないだけでなく表現してたと、思う。

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    2020/01/09 23:31

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