障子の国のティンカーベル 公演情報 体現帝国「障子の国のティンカーベル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2019/12/22 (日)

    わりと舞台と客席の距離をとる傾向の強いユースクエア上演にしては、ものすごく舞台が近かった。最前列センターで まるで紙芝居を観るような距離感。…それどころか、客席が舞台に呑み込まれている感覚すら湧く…とても一人芝居とは思えない縦横無尽のステージングが圧巻でした。1ステだったからか、まだ磨いている最中の感触もあったけど、創意は十二分に伝わってきた。

    そして中身は…タイトルの既視感が予兆する様に、「ピーターパン」の世界というよりは「鏡の国のアリス」みたいな不条理世界の感覚を背景に湛えた印象でした。野田秀樹作品というと、観たことがあるのは壱劇屋「TABOO」ぐらいなので造詣はほぼ無いけど、和洋折衷、古典のアレンジ(いや魔改造?)、昭和感漂う空気が… 今となってはあまり見慣れぬ舞台として、むしろ新鮮さを感じさせました。あ、でもティンクのメンヘラ感は、むしろ現代に通じるかも笑。

    ネタバレBOX

    「人でなしのの恋」というキーワードに惹かれて調べたら、江戸川乱歩の同名小説にも行きついて興味深い。類似のモチーフの元、行きつく先が真逆な印象を受けるのもアンチテーゼの様で一興だ。勢いで3日で書いたとの逸話もある戯曲なので、関心あるモチーフを同人趣味の感覚で纏めきった様な想像も湧いて、だからこそ嗜好の純度が高い印象も湧く。

    全ては自業自得、愚か者同志の歪んだ純愛の果て…って感触もある割りに、コレ意外とハッピーエンドじゃね?とも思った。正直、あまり「人でなし」の印象も湧かなくて、時代がようやく追いついたのか、それとも私が人でなしだからなのか笑。

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    2020/01/08 23:41

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