獣唄 公演情報 劇団桟敷童子「獣唄」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    15日、東京・錦糸町のすみだパークスタジオ倉で上演された劇団桟敷童子の『獣唄』千穐楽を観てきた。これは、知人の役者・もりちえが出演出演していた関係からである。
    今回の作品は、劇団主宰者で脚本家の東憲司が俳優・村井國夫主演を想定して書き下ろした作品で、自分も当初は公演中日あたりの日程で観劇する予定であったのだが、村井が公演前半に軽い心筋梗塞のため降板し、数日間の休演の後に主役を副座長である原口健太郎が代役として演じ、一部配役を変更して上演再開という自体となり、鑑賞日程を千穐楽に振り替えたという次第であった。

    舞台は貴重な種類の蘭の花が採取出来るというとある山村。そこでハナトと呼ばれる蘭採収人である梁瀬繁蔵と彼の3姉妹トキワ・ミヨノ・シノジの間で起こる愛憎悲劇。そのきっかけを作るのが、東亜満開堂という花屋で、時代は太平洋戦争中。花で東亜の繁栄を夢見る満開堂社長の望みは、蘭の中でも最も珍しい品種「獣唄」であった。その獣唄を観たことのある繁蔵と、蘭採取人の後を継ぎたい長女トキワ。この二人の葛藤は、満開堂だけでなく妹たちや村人達をも巻き込み、最後には3姉妹がそれぞれ命を絶っていく。
    いやぁ、悲しい。実に悲しい。その悲しみを舞台から観客全員に伝える繁蔵役の原口、3姉妹を演じる板垣桃子、増田薫、大手忍の熱演が特筆される。
    もりちえは、満開堂社長夫人の役を熱演。キノコ取りの名人役・鈴木めぐみの怪演も光っていた。

    久しぶりに差し入れなどを持って行ったのだが、うっかり役者と言葉を交わすと泣きそうになりそうだったので、挨拶も簡単に劇場を後にした。
    将来、村井國夫での再演を期待したい。

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    2019/12/24 16:06

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