『僕と死神くん』『KNOCK KNOCK KNOCK 或いは別れた記憶たち』 公演情報 ポップンマッシュルームチキン野郎「『僕と死神くん』『KNOCK KNOCK KNOCK 或いは別れた記憶たち』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    PMC野郎らしさをあえて減らしたと感じられるSF仕立ての短編集「KNOCK KNOCK KNOCK 或いは別れた記憶たち」と2009年・2011年上演作の再々演「僕と死神くん」との2本立て公演。恒例の開場中(開演前)パフォーマンス15分をあわせると4時間近い芝居を観させてくれる。

    短編集の巧みさに比べると再々演作の構成がご都合主義的であることが浮き彫りになるが、この劇団らしい力業を用いながらしっかりと最後まで魅せてくれた。
    短編集の構成は見事。数本の短編とその合間を埋める小芝居という構成だった過去短編集から一歩踏み込み、作家の脳内に入ることで消された己の過去と向き合うことを選択する男の物語となった。SFであり、刑事モノであり。かなりシリアスに寄ったのはそのためだろう。

    ネタバレBOX

    「別れた記憶たち」という表記がひっかかっていた。
    "分散した記憶(物語)"であるだけでなく"別離の記憶(物語)"だったのだ。
    吹原作品が家族の物語をえがくのは常ながら、長編・短編集とも喪失・別離をしっかりえがいており客席からすすり泣きが聞こえるタイミングの多いこと!
    生きる苦しみを知ること、死者と向き合うこと、愛すること、殺すこと。
    シンプルかつ重い題材たちが心を打つ。
    作家が希望を託した物語たちは当然ながら希望を宿し、
    一度狂いかけた男もまたその希望を受け取ったかのように(おそらくは受け取ったのだと思いたい)自分の物語に舞い戻る。
    何度も書くが短編集の構成は見事だった。

    個人的には
    2014年に観た短編をまたやっていただけたこと、
    福地教光さんが着ぐるみで出演している姿を観られたこと
    が単純に嬉しく、
    また
    短編集内「みにまむ」福地教光さんと増田赤カブトさんの二人芝居が
    大変に、格別に贅沢な作品であったことを覚えておきたい。
    2019年の観劇納めがこの公演になります。ありがとうございました。

    0

    2019/12/22 17:33

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大