満足度★★★★★
PMC野郎らしさをあえて減らしたと感じられるSF仕立ての短編集「KNOCK KNOCK KNOCK 或いは別れた記憶たち」と2009年・2011年上演作の再々演「僕と死神くん」との2本立て公演。恒例の開場中(開演前)パフォーマンス15分をあわせると4時間近い芝居を観させてくれる。
短編集の巧みさに比べると再々演作の構成がご都合主義的であることが浮き彫りになるが、この劇団らしい力業を用いながらしっかりと最後まで魅せてくれた。
短編集の構成は見事。数本の短編とその合間を埋める小芝居という構成だった過去短編集から一歩踏み込み、作家の脳内に入ることで消された己の過去と向き合うことを選択する男の物語となった。SFであり、刑事モノであり。かなりシリアスに寄ったのはそのためだろう。