『Re:』 公演情報 STEPS Musical Company「『Re:』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

      2本の作品のオムニバス公演。

    ネタバレBOX


     1本目はリーマン(リーマンショックの方ではにゃいぞ!)物。だが、若い人達ばかりのグループのようで社会経験が殆ど無いのだろう。現実に存在している企業とは余りにかけ離れている。例えば登場する女性部長のキャラだが、手前は遊び歩いておきながら、部下には急に無理な残業させておいて、翌朝仕事開始前に机に突っ伏している部下の頭をバインダーの角で叩くようなパワハラあり、日常的にも仕事は部下への丸投げばかり、おまけに客先の社員の苗字迄間違える。幾ら馬鹿な上司が多いとはいえ、女性で部長になるような人ならバリバリのキャリアウーマンだし、そういう女性は頭の回転も速くて的確な判断をするし知的で如何にも切れるという感じか、敵を作らない位上手に人間関係を切り盛りできるかだから、状況を計り間違えて矛盾を招くようなヘマはしない。基本的に平社員を含めてサラリーマンは人間関係のプロと言って差し支えあるまい。少なくともまともな企業のサラリーマンは、自分が会社勤めして居る頃にはそうであった。まあ、今の日本はトコトン劣化しているからこんなアホ部長が居るかも知れないが。通常は絶対居ない。ちょっと大きめなプロジェクトでは部レベルの会議で案件を精査したような話は出るが、演じられている訳ではなく、そういうことがあったことが、科白によって示されるだけだ。
     また派遣で働きに来る若い女・凛が初来社した際、茶を出すのだが彼女の分しか出さない等もあり得まい。何故なら唯でさえ緊張して硬くなっているのだから、迎える側の人間も一緒に茶を喫すというのは当然の配慮だろうからだ。このような気配りが出来なければ円滑な人間関係を最初に壊してしまう。サラリーマンが人間関係のプロである以上、こんな行為もあり得ない。
    2本目は、若者らしい人生経験や素直でファンタスティックで、少し病んだ、抒情性に富んだ作品になっていて、こちらには齟齬を感じなかった。齢を重ねる中で、1の欠点は克服できると見たので、未来ポイントを足して、★4つとした。
    ところで玩具とはいえ、こんなに小さな箱で、観客席に銃口を向けるのは、感心しない。劇空間が成立していると観客は、物語を実体験している。却って精巧なモデルガンなら、余り銃そのものに対する想像力を動員せずに済むかも知れないが、今回使っているような玩具らしい模造品を銃と看做す為に観客はより多くの想像力を動員し、そのような状況その物の中に自らを投げ込みながら観劇しているらしいから。

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    2019/12/15 02:52

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