獣唄 公演情報 劇団桟敷童子「獣唄」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    日中戦争の時代、九州の山深い村で「花人(はなと)」(山の断崖に咲くランをとる仕事)の父と娘たちの物語。ハナトというものになじみがなく、想像もしにくく、なかなかしっくりこなかった。父(原口健太郎)は花のことばかりで、家を顧ず、妻も自己で山で死んだ。その父に、娘3人は反発していたが、ハナトになりたくて長女・トキワ(板垣桃子)が頭を下げたのを皮切りに、父子関係は好転する。

    ところが不幸が村と親子を次々襲う。戦争による緊縮政策による「花禁止令」、三女のしたう都会の青年に赤紙、徴兵逃れを指南したために憲兵隊に呼び出された長女の恋人・山浦(三村晃弘)……。

    村落共同体の土俗的な暮らしと人間関係をベースに、見えない赤い糸にがんじがらめになるようにして、次第次第に主人公たちが追い詰められていく。それは桟敷童子の十八番。今回は3人の女性(娘たち)が次第に追い詰めあっれていくのは、私のお気に入りの作「その恋、覚え無し」と似ている。

    ネタバレBOX

    「大海原に浮かぶまぼろ花!」と叫ぶや、最後に、舞台全体が船のように大きく激しく触れ動く仕掛けは、圧巻だった。小劇場で、あんな大がかりな舞台セットをつくるのは驚いた。

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    2019/12/13 00:32

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