満足度★★★★
鑑賞日2019/12/01 (日)
私にとって『勇気出してよ』(2016年)以来となる小松台東さんの舞台、会場も3年前と同じ三鷹市芸術文化センター 星のホールで、12月1日14時開演回(125分)を拝見。
電材商社の社屋の外にある喫煙スペースを舞台に、社員たちの本音や隠し事がポツポツと露わになっていく、平凡な日常の中での稀有な出来事を描いた作品。
劇中、(東京人にはノンビリしたトーンに聴こえるであろう)宮崎弁による会話の効果もあってか、登場人物の誰もが(ひいては作者自身も)シリアスなはずの自身の現状から2、3歩距離を置いた精神的立ち位置にいるように感じられた。
そして、こうした過度に深刻ぶらず・苦悩しない「非劇的人間」の彼ら・彼女らだからこそ、観客の多くは、同じ市井の人々への共感やら同情の念を抱いたのではないだろうか?…とは、上演中、終始、温かかった客席の雰囲気を感じながらの雑感。
ところで、自分も以前、メーカー向けの部品を扱う会社に勤務していたので、こちらの時間的都合を一切無視した客先からの注文やらクレーム、納期催促に発注洩れなんぞがセリフに上がる度に、口の中でほろ苦いものが湧いてきて困惑したことを付記しておく。確かに、こればかりは「実体験」がなきゃ描けないニュアンスだろうなぁw