昭和芸能舎版フラガール2019 公演情報 昭和芸能舎「昭和芸能舎版フラガール2019」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/11/27 (水)

    赤坂RED/THEATERにて昭和芸能舎『フラガール2019』を観劇。
    10月に日本青年館ホールで拝見した同作品の昭和芸能舎版。この作品は原作が優れているので、映画版、日本青年館ホール版、そして今回の昭和芸能舎版、と何度拝見してもそれぞれに感動があり、観終わった後の余韻も凄いと感じます。今回の昭和芸能舎版もとてもエネルギッシュで見応えのある120分でした。
    作品は1965年の福島県いわき市が舞台。炭鉱の町として栄えてきたものの、時代の波には勝てず、ハワイアンの町として変貌を遂げるまでの過程が描かれた内容で、もちろんその中にはこの地に住む様々な人々の葛藤、苦悩、努力、力強さなどが絶妙なタッチで盛り込まれていて、それぞれの立場を想うと何とも言えない複雑な心境に立たされます。映画版も良かったですが、やはり目の前のステージで気持ちのこもったお芝居を見せられると、映画版以上に複雑な気持ちに立たされたように感じました。そして様々な問題に直面しながらも力強く乗り越え、プロのダンサーとしてフラダンスを踊るシーンまで辿り着くと自然と涙腺が緩みました。こういう歴史を経て今のハワイアンズがあるのだなとしみじみ。クライマックスでのフラダンス披露シーンは圧巻の一言。舞台ならではの臨場感がとにかく凄く、さらにダンサー各々の表情がキラキラ輝いていて素晴らしい。観るものを虜にする、というのはこういうことを指すのだなぁと感じた圧倒的なパフォーマンスでした。演者さんのダンス稽古の大変さを考えると決して再演を繰り返して欲しいとも言い難い部分もありますが、やはりこの作品は舞台化されることで一段と輝きを増すように感じたので、数年に一度でもまた再演の機会があれば良いなと思いました。
    個人的に昭和芸能舎さんの作品観劇は2017年の『たまべん』以来2年ぶり2回目でした。まだどのような個性を持った劇団さんなのかイマイチよく把握していませんが、今回の作品に限っては若干コメディー要素を入れすぎた感があったのが残念。。せっかく良いストーリーの作品なのに、随所に盛り込まれた強引に笑いを誘うようなシーンで感動が少し薄れてしまったような印象を受けました。演者さんでは先生役の稲村梓さんが見た目の印象からなのか、何となく強気のキャラクターによく合っていたように感じました。元々都会的な先生が物語の最後には福島弁を使っているシーンも良かったです。公演パンフレットでは福島県出身の鈴木万里絵さんの「来らっせ、ふくしま!」のコメントが目に留まりました。確かに実際のフラガールを観がてら福島県を訪れてみたいところ。ベテランの男性陣たちも炭鉱を守り抜くべくハワイアン計画に猛反対する様をよく表現されていたと感じましたし、最後にはハワイアンたちの努力を認め、新たな時代の幕開けを感じられたのも良かったです。

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    2019/11/29 23:55

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