宇宙カバ~Space Hippo 公演情報 人形劇団望ノ社「宇宙カバ~Space Hippo」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     カナダ人と日本人が共同で創った作品、ストーリー・ダニエル、音楽・エリオットそして演出/影絵美術・矢内 世里、他に日本のミュージッシャン作の2曲が用いられている。

    ネタバレBOX


     物語りは環境破壊が極限に達し、最早手の打ち様が無くなった時代、それでも政治家は嘘と詭弁と選挙のことしか考えず、対策として宇宙にカバを送り出すことを決め、実行した。無論、御用学者もプロパガンダの一翼を担った。
     宇宙船は銀河を逍遥するが、或る時、ゼータの宇宙船に拿捕されカバはゼータに連れて行かれる。が、偶々彼らの信仰していた神の姿はカバに似ていたのでゼータの長は様々な実験、調査をする。そして体の大きいカバを敵対し戦争をしているアンドロメダに送り込む。然し、カバのコントロールに失敗、カバはアンドロメダの捕虜にされてしまう。アンドロメダでも神の姿はカバに似ていたので長は大衆統治にカバを利用してやろうとしたが、何とかこれを逃れたカバはアンドロメダ軍の攻撃に遭い危うく命を失いかけた。だが、地球を出発した時の相棒、エサ用ロボットの活躍で命からがら逃げ延びた。然しロボットは弾薬の代わりの餌を撃ち尽くしてしまいカバは飢え死にしそうになった。それを救ったのが蜥蜴マン。食糧を用意しカバの面倒をみてくれたのだが、気付くと蜥蜴マンはゼータとつるみカバを売り渡してしまっていた。然し彼はカバに特殊な能力を開発させていた。サイコキネシスである。カバはこの力を用いてゼータと闘い勝利する。だが、それも束の間、今度は蜥蜴マンが、カバをアンドロメダに売り渡していたのだ。でもそれは、壊れてしまった宇宙船の代わりをカバの為に新たに買う為であった。蜥蜴マンは、攻撃を受け殺されてしまった。カバと餌ロボットは蜥蜴マンの買ってくれた宇宙船で新たな旅に出るが、隕石の衝突で通信機器が壊れてしまい船外に出て修理しようとしたが、失敗。宇宙に放り出されてしまう。これをバッテリー寿命が切れる寸前のロボットが救い、カバはゼータ・アンドロメダのエイリアン達が信仰する神が祭られている神殿に辿り着き、自分に良く似た神像の口から流れ出る液体を飲む。するとカバ自身が神として迎えられる。カバは雌で最初に地球を発った時には、生まれたばかりの子が居た。それを引き離されたのがずっと気懸りであった。既に地球上にあった総ての生命は滅び、同じ固体を再生することは神にも許されないという。然し、娘は転生し輪廻を巡っていつかまた進化したカバの形を採って現れる。それまで永遠の命を持つ神として娘を見守ることはできる。但し触れることはできない。母カバは数十億年の時を費やし、決して人間を生じさせないような進化の過程をデザインして公害の無い世界に進化したカバを出現させることに成功した。
     エイリアン達の用いる言語は、英語、日本語、仏語、ほにゃらら語など。ダニエルの発想がかなり面白い。唯、カバが神になることと、予め神像があったこととは、時間的矛盾と観ることができる。無論、パラレルワールドを自由航行できる科学技術を想定することもできるし唯神像がカバに似ているだけだとの解釈も可能なのだが、子供向けでもあるので余り細かいことは問題視されていないようだ。

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    2019/11/24 23:18

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