スリル14/スリル7 公演情報 ショーGEKI「スリル14/スリル7」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    妄想して自縄自縛したような姿が滑稽な公演。物語は「『この物語はジャスト90分で終わる。』...リアルタイムサスペンスコメディ!」という謳い文句であるから、途中で何回か時間経過に関するシーンがあるが、ラストまで大事が起きないと分かっているからドキドキハラハラという緊張感が持てなかったのが残念。
    (上演時間1時間30分)【スリル14】

    ネタバレBOX

    前説から上演時間90分を強調。英会話教室の教師(中国籍)に呼び出された男女14人の生徒が密室(14階)で繰り広げるドタバタコメディ。その観せ方の印象は、”レッツ・笑・タイム!”といったところ。セットは舞台中央に時計、そこから線が延びて上部に水槽に入った液体が…。その外観から爆発物を連想して右往左往し出す。現在10時30分、そして12時の所に何やら印が付いている。

    観客という第三者的立場で観たらリアリティはない。しかし演劇的な理屈を並べても味気ない。むしろ心理的に密室に閉じ込められた男女の会話、その暴露もしくは独白を通じてその人の精神状態や人間性の面白さに着目。誰もが自分は特別な存在、認められたいという自己承認の願望がある。自己主張は生きていく上では必要で、自分を知ってもらうことや人付き合いにも必要だ。しかし自分を前面に出し過ぎると鬱陶しがられる。自分の都合しか考えず、相手の領域に無神経に入っていく。そんな14人のあらわな人間性、同時に爆弾かもしれないという不安・恐怖を背景に、自己アピールや他者詮索をしながら笑劇的に展開する。そのうち、特に女性(50歳代含め全員独身)は、この部屋の主(英語教師)から親しげに声を掛けられた、または食事に誘われた、そして...その自慢や羨望、嫉妬という感情があらわになり口撃し合う悲喜劇。

    爆弾の不安を取り除くために赤または青の動線を切断する、その選択と決断するまでを、この部屋にいる人々の面白言動と行動で笑わせ観せる。しかし、爆弾という緊張ネタは90分間は何ら影響しないと事前に分かっているから、スリルというタイトルにそぐわない。例えば11時や11時30分という時間経過時も舞台上(当事者)は緊張したシーンを観せるが、観客としては同化できない。何となく観客が置いてきぼりになったような気分である。出来れば、必然的に集められたはずの個性的な人々の妄想(諜報活動、秘密保持のための集団暗殺?)を面白可笑しくするためには、時限的条件を明かさないほうが…そんなあり得ない特別な夜を描いてほしかった。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/11/21 22:26

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