新版 オグリ【京都 3月全公演中止】 公演情報 松竹「新版 オグリ【京都 3月全公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    難しいことは考えず、派手な衣装、仕掛け、大立ち回有りを楽しくみればよい芝居。実際、楽しかった。

    最初、花嫁行列を小栗東一三が襲って、花嫁を奪うわけだが、その中に小栗判官がいるのかと思ってみても、今一つ抜きんでた役者がいなくて、あれかななどと思うと、これは大きな勘違いで、主役は後から、十分じらせたうえで、たっぷりのオーラをしょって出てくる。ここら辺、歌舞伎のけれんみはさすがである。

    一幕、暴れ馬を乗りこなす、立ち回り。二幕、地獄で大暴れする大乱闘、特に水をたっぷり使った血の池・噴水の仕掛け、三幕の岩登り、ラストの宙乗りと、どの幕も見せ場でしっかり楽しませてくれた。

    ただ三幕は体のとける病になった小栗の試練の旅なので、ここは哲学的に、苦悩と悲哀を見せるところ。1・2幕の歓喜と立ち回りと、三幕の苦悩の対比があって、作品として深みが増す。ただ、その点、あくまで「お話」なものだから、三幕の悲哀と苦しみがもう一つ切実さが感じられなかった。そこは世話物との違いか。

    閻魔大王他、何役もやった浅野和之がコミカルないい味を出していて、圧巻だった。彼の存在感があったればこその、「小栗判官」物語だとわかる

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    2019/11/19 08:49

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