近世のベネツィアが設定と思いきや、俗な流行語も語られており、いかにも自由気ままである。ここは広場。コーヒ店、賭博場、踊り子の娘の家が軒を連ねる。とある昼下がり、隣の賭博屋で借金をこさえた紳士がコーヒーを注文する。そこから、色恋・カネ・果ては名声の入り乱れる「男の世界」のオン・ステージが始まる。いずれにせよ、濃い面々だ。ひょろっこい役者が紳士を演じるのも演劇的だが、やはり酸いも甘いも参じてきた年代だけに本格派だ。存在感が違う。ところで、出番の少なかった宿の老婆が、やけにチャーミングというか、日本離れしていた。おどろおどろしいなぁ。
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2019/11/10 23:54
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