よすが 公演情報 劇団コスモル「よすが」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     劇団コスモルにエールを送る。無論、今作にも!

    ネタバレBOX

     劇団挨拶の自己紹介によれば二郎系ラーメンという感じの劇団という自己評価である。慶応三田の図書館で働いていた経験があるので半世紀近く前、二郎本店には良く食べに行っていて、兎に角インパクトのあるラーメンにビックリしてしまった。脂ギッタギタ、オヤジを囲むように三角に設えられたカウンターに座れるのは10人程、注文の仕方も独特なので初心者は常連から、このバチが! という冷たい視線の洗礼を受ける。臭いも強いので女の子は有名になるまで入って来なかった。旨い不味いというより、食えるか食えないかのラーメンで、食えれば病みつき間違いなし。銀座の高級割烹、中島の店の前にある石碑の銘に比すことができようか、因みに中島は自分の知っていた時代には一元さんお断り、魯山人の器に料理を盛ってくれた。粋な店である。さて、本題に入ろう。日本でもスタニスラフスキーやメソッド演技等の演劇術を学びヨーロッパや中国、韓国程ではないにせよ、かなりキッチリ演ずる役者さんや劇団はある。然し乍ら本場には中々適わない。考えねばならないことは、余りに自分の根っこを忘れてはいないだろうか? ということではないのか? 暗黒舞踏の天才・土方巽の凄さはこの点に気付き、日本人の身体について深く考え日本人の身体にとっての舞踏を編み出し、実践し得たからこそ、暗黒舞踏は世界に衝撃を与え、此処まで広まったのだと自分は考えている。Internationalとは、InterとNationalに分けられるのであり、その個々を突き詰めた上でトータライズしなければ浮き上がるだけ浮き上がった挙句、墜落して瓦解してしまうのがオチだろう。そんなもの・ことに実はたいした意味など無い。そして多くの日本の芸事がこのレベルなのではないか? 学問レベルでも、例えば哲学科の教授で哲学者と言える程の人がどれだけ存在するのか? 甚だ心許ない状況なのではあるまいか? 一方、各国の哲学者の解説本や紹介本、訳本はたくさん出ているのに、日本独自の哲学と言える程の思想は驚くほど少ないのではないか? つまり、本質的な思考を日本人は余りしたがらないのではないか? と自分は問うのである。今作、無論敢えて軽めに表現したりダサく表現している箇所がかなりふんだんに盛り込まれてはいる。が、例えばしょっぱなのダンスにしても、各々の振りやタイミングが微妙にずれ、そのズレ自体が、かっちり作り過ぎてワザトラシサ、人工的な厭らしさの臭いを撒き散らす作品作りとは違う所を目指していて、自分には却って自然を感じさせ、中々思うようにならない人生そのもののような味を感じさせるのだ。
     実はしょっぱなで虐待やその背景にある庶民の貧しさの悲惨もそれとなく描かれているし、お菊ばあばや彼女の親友の里ちゃんが施設出身であること、その彼らの唯一の慰めが海に沈む夕陽の美であることなどもそれとなく挿入されているのみならず、57歳で若年性認知症を患う菊の人生でたった独りの親友・里を、若き日の親友記念日に海辺で彼女を待ち波に浚われて命を落とした里を、唯、親友里を探して彼女は冥界に迷い込んだこと、その理由は、この冥界にこそ、彼女の置き忘れられた魂が在ったことが原因であったことなどが徐々に明らかになると同時に、恐らくは早く認知症を患った原因こそ、この魂の置き忘れにあったこと、そして娘を育てる為に総てをかなぐり捨てて生きなければならなかったシングルマザーとしての生き様があったことが言外に浮かび上がる。この余りにも苛酷でシンドイ現実は、冥府(冥界)という設定を生み、この設定は苦しみを通して普遍的な世界観に通じている。その世界観とは、キリスト教が未だローマの国教と定められる以前、ギリシャ文明・文化を引き継ぎ多神教の精神世界にあって、生と死のあわいに在って魂が何処へ最終的に赴くか決まるまで一時安らう場として考えられていた時空であることを考え合わせるなら、仏教の中有とも相俟った時空で条理の通った世界では矛盾とされることが曖昧模糊たる状態で彷徨っている世界だ。つまり今作の内容である菊の苦悩、家族の心配や、天使VS悪魔の争闘(悪魔の天使帰りを含む)も矛盾なく掬い上げ、捉えることが出来る自分の知る限り唯一の時空である。

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    2019/11/10 01:58

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  • コスモルの皆さま
    大変な努力を要しますが、地道にコツコツ、
    パースペクティブをしっかり持ち、前に
    進んで行きましょう。
               ハンダラ拝

    2019/11/18 15:07

    丁寧に感想をいただき、いつもありがとうございます

    既成概念を壊し続けていきたいと思います

    ありがとうございました

    2019/11/17 11:31

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