かわいいチャージ’19 公演情報 人間嫌い「かわいいチャージ’19」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/11/03 (日) 14:00

    「かわいい」とは一体何か?
    未知の領域を垣間見た、濃密な会話劇。

    ネタバレBOX

    そもそも「かわいい」ってなんだろうか。
    観劇後、ふとそんなことを思って、Wikipediaで調べてみると(敢えて辞書を引かない)、
    パッと見で嫌になるくらいの難しいことが書いてあったので、5文字くらい読んで止めて
    しまった。

    世の中「かわいい」だらけである。
    「かわいい」と思う気持ちは私のような中年男性、砕いて言えば「おっさん」にもある。
    我が家の家族であるイヌもネコは世界で一番かわいいと思っているし、私の嫁殿も同様に
    彼らを「かわいい」と思っている。

    しかし、そういう男女共通の感覚としての「かわいい」の他に、男性にはよく分からない
    女性特有の「かわいい」というのも間違いなく存在するし、その逆もまた然りではあろう
    と思う。

    本作はその女性特有の「かわいい」の物語である。
    劇場の物販で販売されていたスピンオフでも、分かりやすく線引きをして表現されていたが、
    言うなれば、近年、文化として成立した感のある「kawaii」の物語と言っても良いのかも
    しれない。

    物語は「kawaii」文化の象徴の一つでもあるメイドカフェが舞台。
    「かわいい」に惹かれた女性たちが集う場所ではあるが、彼女たちが語る、その「かわいい」
    観は実に多種多様である。

    これがまずとても面白かった…と言うのが適切かは分からないけど、非常に興味深く、身体は
    まっすぐ、気持ちだけ前のめりになりながら、じっくり拝見、拝聴させて頂いた。

    正直に言えば、私のようなおっさんにとっては、若い女性が「かわいい!」と思う気持ちの
    8割以上は理解しがたい。

    本作を観て、聴いて、それを理解できるようになったなどと言うつもりはないが、少なくとも
    「垣間見た」様な気はしている。

    彼女たちが語り、そして、目指す「かわいい」はある種の哲学である。
    それは黒か白かという単純な話では全くなく、非常に奥が深く、かつ入り組んでいる。
    彼女たちが語る「かわいい」観は、きっとその全てが正解なのだと思う。
    それであるがゆえに、何とも言えないもどかしさを内包する。

    その言葉の持つ意味とは裏腹に「かわいい」は女性にとっては、ある種の呪縛なんだというのは
    ちょっとした衝撃である。

    劇中でエリカが言う

    「女にとって「かわいさ」って逃げたくても逃げられない課題」

    というのは男としては理解しがたい。

    しがたいがゆえに、個人的には軽視しがちな概念だが、それが女性にとっては、非常に大きな事なんだと
    不肖、ワタクシ、人生の終盤に差し掛かり初めて知った次第であり、非常にズシリと来たのでございます。
    何というか、色々と申し訳ない・・・

    そして、この概念をしっかりと正面から見つめたうえで、この物語を反芻すると、ポップなタイトルと
    舞台美術に反して、非常に重く、苦しい物語である。

    各登場人物については、ちょっと後で掘り下げるとして、舞台美術について、少々。

    開場して、席について、まず目を瞠ったのが舞台のセット。
    私、メイドカフェは行ったことないんだけど、去年の夏から今年の初めくらいまでコンカフェにハマって
    いた時期があったので、あの「いかにも」な感じのセットに軽く興奮してしまった。
    いや、ホントにありそうだもん、ああいうお店。

    それもさることながら、照明がすごかった。
    冒頭、部屋のカーテンを開けて朝を表現するシーン。
    思わず、声を上げそうになってしまった。
    あんな事、出来るんですなー。

    それ以降の照明の使い方も素晴らしくて、本編はもちろんだけど、セットとか照明、音響の存在感が
    ものすごかった。

    というわけで、これ以降は役者様と登場人物を絡めて、本編を振り返り。

    らぶ(たなべさん)

    劇中最年少。だからというわけではないんだろうけど、まだ「かわいい」の呪縛には囚われていない
    ただ一人の人物。
    エリカの言葉を借りるならば「純粋に「かわいい」を楽しんでる」。

    であるがゆえに、まさしく、対極的な位置にある鈴奈とのやり取りは、非常に見ごたえがあった。
    劇中、初めて出会って、テーブルをはさんで二人で会話をするシーン。
    お互い、全くの平行線なんだけど、それでも、ニコニコと楽しそうに話すらぶがすごく眩しかった。
    劇中で一番のお気に入りシーン。

    らぶはかなり極端な「かわいい」信者のように見えるけど、実際にらぶみたいな女性って結構、
    いらっしゃるんだよなー。
    コンカフェ通いをしていたころは、らぶみたいなキャストさんをしばしば見かけた。
    当時は、いまいち、理解できない部分もあったんだけど、本作を観て色々と納得。
    久しぶりにコンカフェに行きたくなりました。
    らぶに限った話ではないんだけど、登場人物がみんなリアルなのが良かった。

    それにしても、らぶは「かわいい」に関してだけではなく、ホントに純粋で気持ちが良い。
    鈴奈を店から見送るシーン。
    「かわいい」観が全く合わない鈴奈を呼び止めて「バイバイ」と声をかけるシーン。
    こちらも思わずニンマリ。
    かわいいって言うのは、こういうのを言うんだ。

    たなべさんは『瓶に詰めるから果実』以来のお姿拝見。
    同作でも出演しておられた二宮さんとの絡みが多く、個人的には、何だか嬉しかったです。
    たなべさんのセリフ回しの時の「溜め」というのか「間」というのか分からないけど、それが
    すごく好きでした。
    ラストシーンのお二人のやり取り、最高でした!

    みるく(青山美穂さん)

    どうしても鈴奈の苦悩が目立つ本作ではあるんだけど、みるくの置かれた境遇もなかなかだなって
    思いながら観ていた。
    劇中で、彼女だけが、将来に希望を見いだせていない気もする。
    そういう意味では、レイも同じかもしれないんだけど。

    みるくは24歳。
    彼女自身が言うように、メイドカフェ界隈では若くはない。
    「かわいい」は好きだし、楽しいけれど、いつまでもこのままではいられない事には危機感は
    持っている。
    ところが、困ったことに、他人に対しての依存度も高いので、一人ではどうすることもできず、
    まーくんの所に転がり込むのを画策するも、あえなく頓挫…

    私、知り合いに、みるくに似た気質の人がいるので、ちょっと他人事じゃない感じでみるくの
    ことは見ていたんだけど、まぁ、最終的には私の知り合いも、今では結婚して幸せになってる
    ので、みるくもいずれはきっとどうとでもなるんだとは思うけど、劇中のみるくは、レイに未来の
    自分を重ねていたような気もする。

    かわいいには違いないが、それ以外に特に取柄もなく、結婚もせずに29歳にまでなってしまう。
    勝手な想像だけど、みるくにとって29歳というのはメイド稼業での寿命はとっくに過ぎているものと
    いう認識であるような気がする。

    レイだからこそ、成り立ってはいるけれど、自分は果たして、そこまで引っ張れるのか?
    正社員という境遇ですらないことを思えば、心中、穏やかではなかったのでは。

    みるくのセリフでハッとしたというか、胸を抉られる思いだったのはTinderの下りで、
    「自尊心を取り戻したいだけなの」
    というところ。

    これはねー…
    ちょっと切なかったなぁ。
    そんなことする必要ないのに…って思っちゃう。
    結局のところ、みるくにとっては、まーくんも好きというよりは、自分が一人になるのが怖いって
    いう方が先なんだろうなと思う。

    みるくにとっては、劇中の時間というのは、なかなかに試練の多い時間で苦しかったと思うけど、
    個人的には、みるく好きなので、ED後も幸せになってほしいと思う次第。

    それにしても、自分で考えたものではないにせよ、みるくのおまじないはなかなかキワドイ。
    聞きおえて、
    「これ、本当にいいのかな?」
    と思いながら、思わず、客席をざっと眺めてしまった。

    演じられた青山さんは、今回お初にお目にかからせて頂いたのだけど、いや、素敵でした。
    まーくんに振られたあと、鈴奈に自身の不安を語るシーン、何とも言えない思いで拝見させて
    頂きました。
    終演後の「無事、7人のまーくんと別れました」tweetは素晴らしかったです。

    かおる(一美さん)

    私、かわいいよりもかっこいい女性が好きなので、登場していただいてありがとう感が
    とても強かった。かおる大好き。

    キャストの中では圧倒的にバランス感覚に優れていて、レイにとっても、エリカにとっても、
    頼りにしていた存在なんだろうなと思う。

    仕事を放り投げて、まーくんに会いに行こうとするみるくを、釘をさしながらも、送り出して
    やるところなんかは、個人的にグッと来た。

    終盤のゴタゴタも、見事に丸く収めてしまうし、店舗拡大の際は、かおるが新店舗の店長に
    なること間違いなし。
    かおるがいる店なら通いたい。
    こういうのをかっこいいって言うんだ。

    なんか、やっぱりあのさっぱりした感じが良いんだなー。
    メイドカフェよりは、コンカフェでよくお見かけするタイプな気がする。
    「もう、それガストじゃない?」
    には声を出して笑わせて頂きました。
    あのシーン大好き。

    一美さんも今回が初めまして。
    かおるもカッコよかったけど、一美さんも当然カッコよかった。
    はまり役だったと思います。

    ここあ(浦田すみれさん)

    台本の人物紹介では「幽霊メイド」って書いてあるんだけど、劇中での存在感は非常に大きい気がする。

    どこか無機質というか、淡白というか、そんな印象があるものの、その口から発せられる
    言葉は極めて正論。

    鈴奈と二人だけで店内で話すシーンは、らぶと鈴奈のそれと比較して、非常に緊張感が高い。
    鈴奈の激昂を誘いながらも、淡々と自身の意見をぶれることなく話すここあ。
    そんな二人のやりとりは見ごたえがあってとても印象に残っている。

    この時のここあの口調は、いつもどおり、フラットなのだけれど、言葉の端々に、彼女なりの
    プライドが見え隠れするような気がする。

    かわいい人間はそれだけで楽が出来ると言わんばかりの鈴奈に対して、ここあは努力の必要性を
    説く。

    ドキリとしたのは、

    「かわいい人を僻むようなことをいうような人にとって、整形は必要努力だと思う」

    というセリフ。

    勘繰りすぎかもしれないけれど、見えないところで色々苦労してるんだという、ここあの苛立ちを
    感じてしまった。

    浦田さんも今回が初めまして。
    淡々としたトーンでのセリフが多い中、雨で前髪を潰されて店内に戻ってきたときの、イラついた
    ここあの演技が好きでした。
    らぶにパーソナルカラーとかの話をするところも良かったです。
    「骨格はウェーブ」が特に(笑)。

    店長(星澤美緒さん)

    メイドカフェ界隈にメイド、あるいはメイド服を「尊い」と表現する人たちは一定数いる。
    私はただ単に「すごく好き」という気持ちを「尊い」という言葉に置き換えただけなんだろうと
    思っていたし、実際そういう人たちもいるんだと思う。

    ただ、それではどうにも説明がつかないほどの熱量と共に「尊い」という言葉を使う人がいるのも
    確かで、今までは、ちょっとその辺りがよくわからなかったのだけれど、レイがエリカに語る自身
    の思いを聞いていて、あぁ「尊い」というのはそういう事なのかと初めて理解した。

    レイにとって「かわいい」というのは、生きることそのものなんだろうと思う。
    さしたる才能もない(と本人は思ってるんだと思う)彼女が、唯一、有している「容姿」という
    武器。

    彼女にとっては、それをどこまでも伸ばし、そして、維持することこそが、ただ一つの生存の
    術。
    だから、どこまでもストイックになるし、貪欲。

    眼帯をつけてメイド服を着るなど、彼女にとっては到底受け入れられるものではなかったろうし、
    エリカが言う「こだわりやプライド」などという簡単なものではなかったのだと思う。

    レイの中にも、みるく同様に、このままでいいのか?という思いはあったように思う。
    30歳という、人生においての一つの節目を目前にして「かわいい」を維持し続けることの難しさ
    は感じていたのではないか。

    彼女が生きようと、つまりは、かわいくあり続けようとすればするほど、妹である鈴奈を追い詰め
    ていくことになるのは、何とも残酷なことだと思った。

    鈴奈が、レイを理解できなかったように、レイもまた、鈴奈のそんな気持ちを理解できていなかった
    気がする。

    けれども、そのことで、お互いを責めるのは余りにも酷だとも思う。
    他人にとって「どうでもいいこと」に見えるものでも、本人にとっては、まさに生死を分ける重要な
    ポイントになっていることが、ままあるということを、改めて教えられた気がした。

    きっとレイにとって、鈴奈の存在は眩しいものであったのだろうと思う。
    例え容姿がレイに及ばないとしても、鈴奈には生きていくための選択肢が、まだ、数多く存在している。
    自分のように窮屈な生き方になることは無いと思いながらも、生きる選択肢をさらに増やすために、
    レイは鈴奈に、容姿についてのアドバイスを事ある毎に送る。

    それは鈴奈にとっては迷惑ではあったのだろうが、さながら母親のごとき愛情を鈴奈に注ぐ姿は、
    レイが「かわいい」だけではない優しい女性だということの証でもあったと思う。

    きっと、レイは結婚してもしばらくは「かわいく」あり続けようとするのだと思う。
    でも、いつかはその呪縛から解放されて、もっとのびのびと生きてほしいと願うばかり。

    演じられた星澤さんの演技を拝見するのは『降っただけで雨』『ヘニーデ』に続いて三度目。
    それ以外でも、観たいなと思ったが、観ることが出来ない演劇のキャスト陣に名を連ねておられることも
    しばしばあって、何となくご縁を感じさせていただいている役者様。
    私、まだ観劇回数がそんなに多くないので、3回観劇させて頂いた役者様って、実は星澤さんの他、
    お一人だけ。
    にも関わらず、実はまだご挨拶をさせて頂いたことがないので、いずれ、ちゃんとご挨拶させて頂き
    たいと思います。
    今回もありがとうございました!

    エリカ(金田一佳奈さん)

    劇中で唯一「かわいい」の呪縛を克服し、パートナーとして上手につかいこなしている、
    敏腕かつ剛腕の若き起業家。

    一人の社会人として、すごいなと純粋に思う。
    劇中でも評されるように、立場、年齢を問わずに部下と接する姿勢は、本当に素晴らしい。
    ああいう上司の下で働きたい。

    とは言え、敏腕であるがゆえに、ことビジネスの話となるとなかなかに厳しい。
    眼帯をつけてきたレイと揉める場面は、外野の観客ながら、ちょっとおろおろしながら観ていた。

    エリカの言うことはまさしく正論ではあるんだけれど、あの場面ではちょっとなぁ。
    とはいえ、レイの主張を、単なるこだわりやプライドとまでしか汲み取れなかった以上、まぁ、
    ああいう物言いになってしまうかなという気も。

    ただ、この人のすごいなと思うところは、切り替えがものすごく速い事。
    ついさっきまで、結構イラついて、感情丸出しになっていたのに、執事とメイドを期間限定で
    トレードするという妥協案が見つかって以降、すぐさま、いつものエリカに戻る、あの切り替えの
    早さはすごい。
    有能な人物は、やっぱりそういうところが違うよな、と内心で舌を巻いておりました。

    かっこいいなって思うけど、男としては有能すぎて、ちょっと近寄りがたいなとも思ったり。

    ところで彼女の経営する「KAWAII CHARGE」は彼女の趣味かつ節税対策で経営されているようだけど、
    似たような話をメイドカフェ界隈でも聞いたことがあるので、設定の芸の細かさにちょっと
    ニヤついておりました。

    金田一さんは今回、初めてお姿を拝見させて頂いたけれど、演技の圧力がすごかったなぁと素人ながらに
    驚嘆。
    若き起業家を、実に見事に切れ味鋭く演じておられたように思います。
    鈴奈に対する
    「あなたも大変ね。なかなか頑固な姉をもって」
    と語るシーン。
    このシーン、大好きでした。
    セリフの中に色々な思いが織り交ぜられている感じがして、こちらにも染み渡りました。

    鈴奈(二宮咲さん)

    劇中、もっとも「かわいい」の呪縛に囚われていた鈴奈。

    そうでなくても完成されている姉が、整形という手段でさらに上を目指そうとする姿勢に、鈴奈は激しい
    感情をぶつける。

    鈴奈の立場からすれば、それはそうだろう。
    既に大きな差をつけられている部分に、さらなる追い打ちをかけるような真似をなぜするのか?
    内面を磨いて、勝負をかけていこうとしているところに、容姿面でのアドバイスをしてくるところも、
    腹立たしかったに違いない。

    姉同様に、妹もなかなかに頑固だが「持たざる者の、持てる者への劣等感、敗北感」は、正直、
    共感できる部分が多々あった。

    彼女自身「かわいい」を武器にして生きている女性たちが、何の苦労もなく生きているわけではないこと
    は薄々感づいてはいる。
    それでも「かわいい」の巣窟とも言って良い「KAWAII CHARGE」の面々の生きざまは、彼女にとっては
    そんなに簡単に受け入れられるものではなかったろう。

    けれど「かわいい」の中にも、様々な潮流というか思想があることを知って、鈴奈はさらに迷いつつも、
    何かしらのヒントを手にしたように感じる。

    エンディングで、らぶから渡されたクマのぬいぐるみを見つめて、小さく頷くシーンで、ちょっぴり涙。
    劇中では、苦しむ描写が圧倒的に多い役だったのでなおさら。
    かわいいって言うのは、こういうのを言うんだ(二回目)。

    なんだかんだで、雨の中、わざわざ傘を届けにやってくる優しい妹。
    すぐには難しいのかもしれないけれど、少しずつ、姉妹間の溝が埋まっていってくれればと良いなぁ。

    たなべさん同様『瓶に詰めるから果実』以来のお姿拝見。
    先日は池袋演劇祭で、新人賞的なものをとられたようで、おめでとうございました。
    重く苦しい役柄だったように思いますが、お疲れ様でございました。
    何というか胸を痛めながら、しかと拝見させて頂きました。
    たなべさんとの共演も、前回とは違った形で拝見できて嬉しかったです。

    まーくん(フジタタイセイさん)

    まーくん、ダメでしょ。
    こいつは、ダメだ。
    そりゃ、黙ってメイドカフェで働いてたのはアレだと思うけど、いーじゃんね、そんなの。
    「じゃあ、俺もその店行っちゃおうかな」
    くらい言えばいいのに。

    まぁ、メイドさんに彼氏がいるとなると、今度は客がざわつくから、それはそれでダメなんだ
    ろうけど。

    とは言え、自分の彼女がメイドカフェで働いているというのは、確かに良い気はしないかな。
    まーくんが言う、女を消費してどうのこうのっていうのは思わないけど、なかなかどうして、
    色々とアレな界隈だからなぁ。
    そういう意味で個人的には嫌かも(話題がデリケートかつセンシティブすぎてこれ以上触れられない)。

    そんなヘボ彼氏を演じておられたのはフジタタイセイさん。
    『山の中、みたらし』以来のお姿拝見。

    しかし、すごかった。

    もう、まーくん登場して一気に劇場の温度が上がった気がした。
    劇場の視線総なめ。
    存在感がすごかったです。

    他の日のまーくんの面々もすごい顔ぶれでびっくり。
    全部、観たかったなぁ。

    日替わりまーくんもそうだけれど、私が行った回はスタッフの方も、お客様も錚々たるメンバーで
    びっくり。

    個別のお名前を挙げるのは控えるけれど『瓶に詰めるから果実』のあの方、『ヘニーデ』のあの方、
    『いつもの致死量』『先天性promise』のあの方がおられて、いや、もう個人的にはオールスター
    状態で開演前からアドレナリンを沸騰させておりました。
    同じ時間を共有させて頂けて、本当に幸せ。

    さて、本作は2年前の演目の再演らしい。
    主宰の岩井美菜子さんは17歳で劇団を立ち上げられて、今に至っておられるのだとか。

    すごいなぁ、その熱量が素晴らしい。
    『人間嫌い』という劇団名に込めた思いや、作品への思いを色々と勝手に想像させて頂くと、
    何というか、胸が熱くなる思いです。

    「メンヘラが泣いて、おじさんも泣いた」素晴らしい作品でした。
    関係者の皆様、役者の皆様、素晴らしい舞台をありがとうございました!

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    2019/11/05 16:12

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