会議 公演情報 新国立劇場「会議」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    別役実偉い!星5つ!戯曲が素晴らしいので誰が演じても面白いのかもしれないが、研修生の出しゃばらない演技はこの奇妙な味わいをストレートに伝えてくれる。演技を合わせても星5つ以外にありえない。十分楽しませてもらった。

    昨今は「民主主義ってこの先も機能するの?」というのが世界的な心配事になっている。もっとも、その基本である会議(とか選挙とか)がそもそも機能するのかというのは昔から誰もが持つ疑問であったから当然の成り行きではある。会議劇では会議をマウンティング合戦として描く。最近なら「ナイゲン」が代表的だ。「ナイゲン」は会話のプロレスに徹しているが、70年代に書かれた本作は社会的な(ただし本作は政治的ではない)メッセージを提示せずにはいられない。フフとかムフとかウーンとかウームとかつぶやきながら少し笑って少し考え、最後は無言となる、そういう演劇を観たい人には超お勧めである。

    ネタバレBOX

    最初に白衣の男が言った実験の会議は失敗したが、実は包帯の男も仕掛け人で最後に始まる会議が計画通りのものなのではないかとも思えてきた。そうすると、殺すところは見せかけということになって、運んでいく男たちに分からないというのは無理があるんじゃないか。では彼らも共犯かなどと考えていると収拾がつかなくなる。ううむ。

    追記:要するに、どこまでを(劇中の)事実と捉えて良いか分からなくなったのだ。その原因の一つに白衣の男の腹に、刺される前から血糊がそれとわかるくらいに沁み出ていたことがある。それが役者のミスなのか、血が出ても現実ではないよとあらかじめ断っているのかが判断できなかった。原作ではどうなっているのか確かめようと思ったがamazonにも売っていないし、過去の公演ではナイフでなくピストルだったと知って図書館にすぐに行く気も薄れてしまった。

    0

    2019/10/28 23:11

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大