会議 公演情報 「会議」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.5
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  • 満足度★★★★

    別役実作品の舞台化は、怖い、不気味、のパターンが面白い。「うしろの正面だあれ」「にしくむさむらい」「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」「病気」「あの子はだあれ、だれでしょね」。。
    「会議」も、戦慄の(?)結末を迎える。そこへ至る経過がよく見えた。印象的な修了公演「るつぼ」を残した第12期生の一期下の13期生が、熟練でも難しい別役戯曲をきっちりと成立させていた。これが一つの嬉しい発見であった。

    別役劇の顛末には、主体の意思薄弱によって不本意な展開を許し、不本意な結果を招き入れる(強い自己を持たず周囲に合わせて行動する日本人的習性により、手痛い仕打ちを受ける)ケースが多い。『会議』では、あるキーマンの「攻め」が顕著で、犠牲者にとっては抗い難い空気が醸成されて行くのが特徴。頭や腕に包帯を巻き、スーツを着てハットを被った、格好だけは紳士風の男は声に一定の告発トーンがあり、初めはありもしない暴行がここで行われた等と言い募っていたが、やがて場を支配し始める。男の主張に抗えない空気が作られ、ターゲットにされた男は、ある偶然(企みによるとも解釈可だがそれは排しておきたい)の加勢もあって一気に断頭台へ押し上げられてしまう。
    (先ほどネットサーフィンで見つけたツイートを捲っていたら、「公式に認定された弱者が一番の強者」なるズバリな一文に出会った。)

    他者を扇動し場の空気を作る冷徹なまでの強い「意志」が存在したら・・「会議」の登場人物らはそれなりに主体性を持ち、ラスト、悲劇的結末を前に「何故こうなったのか、それこそ会議で話すべきではないか」と説く者さえ居る。その彼らが、目の前で起きた殺人、死体遺棄、不訴追を許した経過は、この芝居自体、衆人環視の中行なわれた実験とも思える。控えめながら幾つかのポイントで不気味な音響が鳴り、これが演劇である事を思い出させるが、虚構の中の真実、信憑性に現実の断片が脳裏をかすめる。
    この戯曲のようにあっと言う間に現実が相貌を変える瞬間が、いつ来ても不思議でない条件は一定整っており、さらに整えられつつある、その息苦しさが現実にある。

  • 満足度★★★★★

    別役実偉い!星5つ!戯曲が素晴らしいので誰が演じても面白いのかもしれないが、研修生の出しゃばらない演技はこの奇妙な味わいをストレートに伝えてくれる。演技を合わせても星5つ以外にありえない。十分楽しませてもらった。

    昨今は「民主主義ってこの先も機能するの?」というのが世界的な心配事になっている。もっとも、その基本である会議(とか選挙とか)がそもそも機能するのかというのは昔から誰もが持つ疑問であったから当然の成り行きではある。会議劇では会議をマウンティング合戦として描く。最近なら「ナイゲン」が代表的だ。「ナイゲン」は会話のプロレスに徹しているが、70年代に書かれた本作は社会的な(ただし本作は政治的ではない)メッセージを提示せずにはいられない。フフとかムフとかウーンとかウームとかつぶやきながら少し笑って少し考え、最後は無言となる、そういう演劇を観たい人には超お勧めである。

    ネタバレBOX

    最初に白衣の男が言った実験の会議は失敗したが、実は包帯の男も仕掛け人で最後に始まる会議が計画通りのものなのではないかとも思えてきた。そうすると、殺すところは見せかけということになって、運んでいく男たちに分からないというのは無理があるんじゃないか。では彼らも共犯かなどと考えていると収拾がつかなくなる。ううむ。

    追記:要するに、どこまでを(劇中の)事実と捉えて良いか分からなくなったのだ。その原因の一つに白衣の男の腹に、刺される前から血糊がそれとわかるくらいに沁み出ていたことがある。それが役者のミスなのか、血が出ても現実ではないよとあらかじめ断っているのかが判断できなかった。原作ではどうなっているのか確かめようと思ったがamazonにも売っていないし、過去の公演ではナイフでなくピストルだったと知って図書館にすぐに行く気も薄れてしまった。
  • 面白かった!序盤のとぼけまくりの会話が可笑しい。恐怖と闇の深さはさすがの別役実戯曲。加害を目にしても「私は知らなかった」と無実を主張する庶民のひ弱さ、罪深さ。
    詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/10/26/13898/

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