ナイゲン 公演情報 果報プロデュース「ナイゲン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/10/16 (水)

    【総論】
    既知の登場人物でも新たなアプローチであったり、何度も観ていながら改めて気付いたことがあったり、「十二人の怒れる男」を観ている時と同様よく知っているからこその「来るぞ来るぞ来るぞ来るぞ……キタ~~~っっ!!!」があったり、もちろん元々好きな「議長の覚醒」「監査の葛藤」「3148の2度にわたるイジり」も「これこれ、これだよ」と堪能。

    【各論】
    今回の監査は声が低めだし、序盤では冷徹と言うか感情がないと言うかな感じで、それが「あの採決」で感情を表に出し、さらにクライマックスでは「ああなる」ので、「笑の大学」の向坂(検閲する男)に通ずる気がした。
    また、終わり近くでの議長の台詞が「十二人の怒れる男」の「あの台詞」の変形だとやっと気付く。この2点はこの前週に観たロデオ★座★ヘヴン「日本演劇総理大臣賞」のおかげかも。

    夏にfeblaboナイゲンを観た時は前年の前夜祭事件を描いた「ナイゲン・-1」と3148が監査になった「ナイゲン・+1」思い付いたが、しばらく文化祭が開催されず久々に再開する年のナイゲン(←2008年版「櫻の園」的な)もありうるのでは?とも思った。
    3年生ですら文化祭を経験していなくてああだこうだ右往左往、とか、どさまわり的な生徒(OBである兄から楽しさを聞いていた?)が「文化祭はやらなくちゃいけないんです!」と強引なほどに主張するとか。

    feblaboナイゲンと言えばこの夏のハワイ庵、本作の道祖神、この2つは配役を知って意外な気がしたが、どちらも「今まではなかった」その役になっていての可能性と言うか奥深さと言うか、そういったものを感じた。「スタンダードな作品」ってのはそういうモンだよね。

    ツイッターで流れてくる感想を見ると、この果報ナイゲンがナイゲンとの出逢いとなった方が少なからずいらっしゃるようで、ナイゲンの裾野が広がったことがファンとして嬉しい。山本プロデューサー(山P?(笑))の狙いがバッチリだね。

    ネタバレBOX

    【クライマックスでの3148】
    終盤で退席しようとするアイス~を止める3148、序盤で退席・失格となることを防いでくれた恩返しか逆に序盤であんな仕打ちをされたことへの逆襲か、二通りの解釈ができるが 本作では引き止めた後でニヤリとしたので後者の「邪悪3148(笑)」だな、と。
    また、その後に挙手して「アイスクリースマスさん、お願いします」と振る場面があるが、その前にちゃんとアイスクリースマスの様子(←たぶん「何か言いたげ」)を観察しているのも確認。(これ、その後の流れを知っているので先回り的に注目していたのだった)

    【アイスクリースマス考】
    序盤で「あの手口」で自分の側を勝たせた直後に掌を返すように3148を攻撃するのでアイスクリースマスを「憎まれ役」と認識してしまい、3148の退出を止めるのも晒し者にするように思ってしまうが、実はイイ人で失格しては気の毒と思ってのことかもしれない。
    あるいは騙すとかそういう意図は全くなく、規約という縛りがある中で話し合うことをゲーム感覚で楽しんでいるだけかもしれない。もう十数回観ているのにこれは今回初めて気付いた。
    3148の2点は前から観察していたが、今後はアイス~がどちらの型かも観察しよう。

    今回初めてと言えば、終盤の議長の台詞が「十二人の怒れる男」終盤の「私たちが裁くのはあの黒人少年です、あなたの息子さんではありません」という台詞のオマージュであることにもようやく気付いた。

    【新演出に関して】
    放尿騒動の時、おばか屋敷がシャツで3148の視野を遮っていたのに気付いて終演後に冨坂さんに伺ったら、今までも体の向きを変えたりで3148が海の~の方を見ないようにしていたけれど、シャツを広げたのは初とのこと。

    0

    2019/10/26 23:48

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大