満足度★★★★
至極まじめな現代社会批判コント集。坂手洋二もすっかりうまくなって、二枚腰三枚腰の仕掛けで現代社会を告発する。かつてはその批判の矛先は明確にわかっていたものだが、このコント集の矛先はソフィストケートに表現されていて、自らにも帰ってくる。それだけ時代の構造が複雑になっているともいえるし、それよりも、これなら批判の柱にして大丈夫という思想が見失われている、ともいえる。二時間足らず、燐光群の俳優たちもうまくなってコントに味を出している。追加公演は超満席。だがその熱気はどこか行き場を失っているようにも見え、また民芸ほどではないが観客の老年化も目立つようになった。