ラヴズ・レイバーズ・ロスト ―恋の骨折り損― 公演情報 東宝「ラヴズ・レイバーズ・ロスト ―恋の骨折り損―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    とびきりの人気俳優はいないが、そこそこの若手アイドルが男女合わせて10人も出る賑やかなミュージカル。シェークスピア作品の中では最も上演される機会の少ない(人気のない)戯曲をどうアレンジするかと楽しみに見た。王たち男4人の女絶ちの誓いと、4人の美女の来訪の始まりからロックな歌で聴かせる。

    変人アーマードーの酒場女ジャケネッタへの下卑た恋、道化に託したラブレターの誤配、誓いを破った男たちの滑稽な姿、仮面舞踏会では女たちにからかわれ、最後、1年後の愛を誓うラストまで。脇筋の学者連もからませつつ、ストーリーはそのまま。しかし、セリフは大きく端折って、エッセンスで組み立てている。男たちのラブレターや、ビローンの愛の賛歌などの重要な場面は歌に。これがよかった。王女の悪ふざけをいさめるロザラインの愛の歌は原作にはない創作。これが一番しんみり聞かせた。

    冗長なしばいを、若者も楽しめる現代のエンターテインメントに上手く脚色したと思う。それにしても見所は俳優・女優の若さそのもの。客席も大いに笑っていたが、俳優たちのおどけた所作や派手なアクションへの反応で、シェークスピアらしい皮肉や機知への反応は少なかった。「俺のアナコンダをあのアナへ入れたい」など、卑猥な歌もご愛嬌というべきだろう。
    ただし、4組(五組)の男女の出会い(恋の始まり)のところが聞きづらかったし、段取り化して早すぎて印象が弱い。男たちが女たちに(あるいはその逆)一目惚れする場面をもう少しじっくり聞かせてくれれば、舞台に深みが増したと思う。シェークスピアの原作は、恋を前提にしているが、現代ではどうやって恋におちるかこそが大事なので。休憩無し1時間50分

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    2019/10/18 08:45

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