満足度★★★★★
風姿花伝プロデュース第一弾を飾った「ボビー・フィッシャーはパサデナに棲んでいる」の同作者の作品。演出然り。「パサデナ」と同じく夜部屋で交わされる会話を聴き入る濃密な会話劇であるが、前回は何処か外出から帰宅した一家族のそれ、今回は母の葬儀で久々に顔を合わせた兄弟とその連れ合いとのそれ。老成による退廃と傲岸さ、ナイーブさは岡本健一にしか出せないのでは、と思わせる嵌り具合。栗田桃子、どこかで見たが誰だったか(例によって役者名チェックせず観劇)、思い出せない程の役柄の振り幅・・等々言葉にするだけ野暮に思えてくるので止めにする。
家族という内臓の脈動に4時間弱(途中休憩2回)、どっぷりと浸かる贅沢な時間であった。
亡くなった中嶋しゅう(「パサデナ」に出演)の「5回までは応援する」との言(遺言となった訳だが)に応えた風姿花伝プロデュースのその回を迎えたが、もう5回は続けて欲しい。演目の選定は大変だろうけれど。。