少年B♥KR-14【柴幸男】 公演情報 キレなかった14才♥りたーんず「少年B♥KR-14【柴幸男】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    精一杯だったあの頃
    とにかく素晴らしい!の一言でした。
    最初はコメディ?と感じたくらいコミカルな表現が多かったのだけれど、そのうち段々と甘く切ない感情に切り替わる。実際の初々しい可愛らしさのある15歳の少女(井上)を起用したのもひじょうに良かった!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台には洋服があちこちに散らばり放題。なんだろー?って思っていたら、床から拾って岡部(主人公)に着せ替える為のもの。ここでの岡部は自分で服を着ない。着せ替え人形のように着せられる。演出が上手いと思う。自転車のシーンの演出もお見事!


    中学校なんて一日のうちのたった四分の一を過ごすだけの場所なんだよね。長~い人生から考えればほんの何十分の一、数年間だけの場所なのに、あの頃は、未熟な多感さゆえにそれが全てなんて思っていた。

    舞台は岡部のクラスでの係わり合いや、母親との朝の風景、好きな同級生との立ち位置など、楽しく大いに笑わせる。14歳の岡部の感情も巧みに表現し、「ああ、解る!解る!(。。)(・・)(。。)(・・)うんうん」などと妙に共感してしまう。
    途中、時系列がめちゃくちゃで回想シーンと妄想シーンと現実が重なりあうが、それも理解できる範囲だった。

    思い出のなかの彼らは自分がどんな人生を歩むのかなど何も解らず気楽に、けれど頼りなく不安定にふらふらと、へらへらと、毎日を過ごしていた。そんな毎日が永遠に続き陽射しは眩しく彼らを照らし自分達はずっと相棒で居られるなんて信じていた。

    幸せだったり不幸だったり楽しかったり苦しかったりの日々は他の誰とも取り替えることは出来ず、時間を遡る事も出来ないかけがえのなさは、ただそれだけで尊いのだけれど、それに気付かなかった日々。根拠も無く未来は明るいと信じ続けていたあの頃。

    そんな感情も織り交ぜながら、学校独特の泥と汗の匂いも感じさせる。どこからかピアノの音が聞こえてきそうな感覚や女生徒たちのさざめくような笑い声が微風に乗って吹き抜けていくような風景も想像できる。

    やがて大人になった彼らはそれぞれの仕事に着実に確実に付いていて、不良だった山田も人が変わったように腰を低くしてローソンで働いている。そんな光景をみて、岡部は現在の自分の定職を持たない不安定な立場を憂いでしまう。

    そうして舞台は最後の合唱で幕を閉じる。最後に合唱をもってきたのにはひじょうに意味があると思う。このシーンで観客はあの頃の自分をもっともっと思い出すからだ。

    とてもとても素晴らしい舞台だったと思う。久しぶりにあの頃を思い出して懐かしい空間に浸れた。


    追伸:そういえば・・卒業式に恩師が言葉をくれたんだよね。
    「人生という器には幸せと不幸の分量が平等に詰まっているのです。要するにどちらを先に多く取り出すかの違いだけだから、今、悩み苦しんでいる人たちも、常に希望を失わないようにしてくださいね。」・・と。





    2

    2009/04/20 19:21

    0

    0

  • はい。そうでしたね。自分はもう大人なんだ!って、心の底から思っていました。
    今、考えると、やはり青くて甘い。(^^;)

    学校って匂いの在る不思議な場所でしたよ。ワタクシ、放課後音楽室から聞こえてくるピアノの音が好きでした。ピアノの弾ける同級生はヒーローでしたね・・。
    中でも線の細い黒髪の女子が奏でる音符はその白くて細い指までも想像できました。
    普通の子とはちょっと違っていました。母親が亡くなって父親の実家で暮らすことになった転校生でしたよ。放課後、必ずピアノを弾いていて・・・、ワタクシたちは何故か近づけなかったです。
    なんでだろ・・?嫌いではなかったのに。
    あまり笑わなかったからでしょうか・・。
    その子は3ヶ月も居ないで転校していきました。
    ワタクシの中でヒーローだったと言ってあげれば良かった・・。
    言葉にして言ってあげれば良かったです。

    合唱は 
    http://homepage1.nifty.com/mrjsroom/midi/words/asitae.htm    です。
    聞いてみて。

    はい。素敵な言葉は忘れません。習字の先生でした。


    2009/04/21 22:59

    中学生の頃、心はまだまだ未熟なくせに、それでいて身体は大きくなりどんどん大人に近づいていき、本人もいっぱしに大人びて振舞う不安定な時期・・。

    レビューを読んでいて、なんだかとても懐かしい気持ちになりました・・。
    あ、そうそう、そうゆうこともあるよな・・・。
    あの頃の校庭の風景や匂いまで思い出させてくれるような・・・。

    後から思い出すと、ちょっと気恥ずかしくて何となく甘酸っぱいあの頃・・。

    素晴らしい時間を過ごせたようですね・・。
    ラストの合唱なんかとても素敵でしょうね・・。
    少し今を忘れて、ほんの束の間、懐かしい世界へ・・。
    お芝居のいいところですね・・。


    追伸の恩師の言葉、こちらも素晴らしい・・。
    どうして自分だけこんなに不幸せなんだろ、安易にそう思いがちですけど、みんな平等な器・・。
    巣立っていく若人に心強い応援メッセージですね・・。

    2009/04/21 16:08

このページのQRコードです。

拡大