花市文女 ~はないちもんめ~ 公演情報 少年かしこ「花市文女 ~はないちもんめ~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    遊女3人の今を描いた作品
    舞台にセットはない。奥にカーテンがあるだけ。

    惜しむらくはもっとはすっぱな遊女でも良かったような気がしたが、元来生まれて育った環境がそう見せないところに彼女たちの育ちの良さがあるのだろうか。。ちょっとエロい。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    売春宿の火事で焼け出された遊女3人は食べていく為に川原で男を誘い身を売る。
    しかし、実はその火事はお花による放火だった。彼女たち3人は小さな頃から売春宿で働かされていたから、男たちをイカセル技や喜ばせる仕草は出来ても、自分がイクことがなかった。セックスを仕事として長いことしているうちに、何も感じなくなってしまっていたのだ。つまりは不感症になってしまっていた。

    だから、セックスの代償に金銭が動くからヤラセルだけで、好きな男が出来てもタダで脱ぐなんてごめんだわ!と思っていた。

    ところがそんな彼女たちの前にセックスを気持ちいいと感じ、身悶える女が現れる。自分たちが感じる事の出来ない感情をその女は感じる事が出来るのだ。妬ましかった。そして自由になりたいという気持ちと重なって放火してしまう。
    やっと、自由になれた!
    そう思ったのもつかの間、彼女たちは以前と同じようにこうして娼婦として身を売る。

    したたかで強い女も何かに寄りかかったり縋って生きていきたいと思うのが常なのだ。精神の安定が欲しいのだ。スヌーピーアニメの中のライナス少年のようなブランケット症候群。
    そうして、その属性によって運命付けられた生き方は、変わりようが無く、

    「ちょっとそこのお兄さ~ん、サービスするからさ~、遊んでってよ~~、なんなら3人まとめて遊んであげるからさ~~。」
    ・・・と手招きして今日も呼び込むのだ。

    「はないちもんめ」の中の、あの子が欲しい~♪あの子はいらぬ~♪の歌詞に絡ませ湿気のある舞台だった。
    案外、童謡に隠された言葉や意味を調べると本当に怖い意味がある。
    「とうりゃんせ」なんかもすっごく怖い意味があるんだよね。。

    娼婦の孤独感、悲壮感漂う芝居で、それでも健気に生きていく安っぽい化粧の娼婦を上手く演じていたと思う。
    これからも世の中というものに何も期待していない、それでも精神を破綻させることなく淡々と日々を過ごしていくであろう娼婦たちを愛しくさえ思えた舞台だった。

    番外編のため、50分の上演だったから仕方ないけれど、願わくばもう少し内容を広げても良かったかも・・かも・・。

    少年かしこ・・・面白いです。




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    2009/04/19 16:53

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  • そっか!なんとなく違和感が残ったのは彼女達が着物ではなかったからだ!
    そうそう、時代設定はたぶん江戸時代だよね。色んな本を読んでも。
    だけれど今回の舞台での服装は今のファッションなんだよね。昭和初期でも売られるってことがあったのでしょか?解る?おーじ。

    だよねー、それもちっさい頃からだから・・嫌な客にも目を瞑って応じなければならないでしょうし・・。

    「鹿金」は傑作でした。あな恐ろしや・・・。
    今回は「番外公演」ということもあって、こじんまりしていました。
    次回もホラーを書いて欲しい。
    劇団でホラーを扱ってるのって案外少ないよね。




    2009/04/20 19:44

    今時、よっぽど貧しくても売春宿に売られるなんてことないでしょうし、時代設定が明記されてませんが、何となく江戸時代、着物を着ている頃のお話なのかな、なんて想像しながらレビュー読ませて頂きましたけど・・。


    確かにあの行為を生業にしていると、それなりの弊害もあるでしょうね・・。
    いちいち感情移入して、なんて体力的にもとても難しいだろうし、割り切らないとやってらんない、ていうか、少なくとも、普通の方の感覚とは随分違ってくるかも・・。


    この劇団、個人的には、前作「鹿金」での、あのこみ上げて来るような恐怖感がとても印象深いのですけど、今回もなかなか面白い着想の作品だったみたいですね・・。

    ハイ、今回行けなかったのですが、自分も気になっている劇団のひとつですね・・。

    2009/04/20 14:41

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