ほしい 公演情報 劇団時間制作「ほしい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2019/09/23 (月)

    赤坂RED/THEATERにて劇団時間制作『ほしい』を観劇。
    精神障がい者・身体障がい者が暮らすグループホームを舞台とした、人々の様々な「ほしい」という欲求と錯覚がテーマの現代会話劇。2013年旗揚げ、今回が20回目の公演という劇団さんのようでしたが、個人的には今回が初見でした。
    障がい者、健常者それぞれの本音を垣間見ることが出来るようなシーンがあり、なかなか生々しい現場の様子が伝わって来ました。ただ、作品全体を通しての印象としてはとても一言では表現することが難しいくらい深く重い。そもそも障がい者とは何なのだろう、健常者とは何なのだろう、さらに人間とは何なのだろう、欲求とは何なのだろう…など、どれを取っても漠然というか紙一重の世界に生きているのかもしれないという感覚に陥りました。広い括りで見れば同じ“人間”であったとしても、強者、弱者、障がい者、健常者…など立場によって分類が生じてしまう実態がある中で、それぞれにドラマがあり、人間らしさがあり、今回のテーマである「ほしい」という欲求があります。何か上手く表現することが出来ませんが、つくづく人間って深い生き物だなぁと感じさせられましたし、自分にとっての「ほしい」は何なんだろうなぁと考えさせられました。同時にそこには錯覚も潜んでいるということも。。また、障がいがあるが故に隔離され、非難されるような実態もあると聞きますが、今は健常者であっても何かがきっかけで同じ境遇になる可能性もありますし、互いに理解し合い相手を尊重する気持ちを持つことが大切だと感じました。
    終始重苦しい雰囲気の作品で、劇中に流れるBGMもフェードアウトではなくいきなり切るようなシーンが多く、個人的にはあまり好みの内容・作風ではなかった(もちろん効果的に働いていれば問題ない)ですが、舞台セットは細部までよく作られていて良かったです。障がい者の役を演じられた役者さんも動き一つ一つに妙なリアルさが感じられてインパクトがありました。小劇場公演であること、満足度など考えるとチケット代、パンフレットなどのグッズの価格設定はやや高い印象を受けました。

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    2019/09/26 23:40

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