異邦人 公演情報 劇団民藝「異邦人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/09/26 (木) 18:30

    座席1階

    特定技能という新たな在留資格を設けて、本格的に外国人労働者の受け入れを始めた日本。地方都市にある小さな食堂を舞台に、日本人が生活者としての外国人を受け入れられるのかを、この芝居は問う。
    食堂の周囲にも技能実習制度による外国人が増えてきた。ゴミ出しのトラブル、深夜の騒音。食堂の仕事を継ごうと故郷に戻ってきた息子が在留ベトナム人からカレーを習ってメニューに加えようとしているところも、長年食堂をやってきたオヤジは気に入らない。
    この食堂で、職場の上司にあたる日本人と合わず仕事をやめようとしているベトナム人を巡って、シビアな会話が続く。このあたりが、民藝に書き下ろした中津留氏の真骨頂だろう。主宰のトラッシュマスターズの舞台では、議論と言ってもよい激しい台詞の応酬が見られるが、そこまでではないにせよ会話の中身は技能実習制度の矛盾というか、非人間的な部分を鋭く告発している。
    これはタイトルにも表れているように思う。私たちが、彼らを自分と同じ生活者てして受け止めて付き合えるか、本音では異邦人と見ているのか。この舞台が問いかけたものへの答えは、数年後に出るだろう。

    ネタバレBOX

    技能実習生を斡旋した監理団体、雇用している工場主。いずれも口では日本人と同じ働き手として扱っているというが、補助金が受け取れなくなることやトラブルを恐れる本音が見え隠れして面白い。中津留氏は、結局我々が異邦人としてしか見ていないという現象を射抜いている。

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    2019/09/26 21:31

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