満足度★★★★
自分は、文明その利便性の中で暮らしており、社会システムに組み込まれ規範に従い行動をする、それが当たり前という感覚にある。その感覚は、物語における一方の視座であり常識である。しかし物語に登場する先住民(ネイティブ)にとっての常識ではなく、文化等の違いによって常識が非常識になるかのようだ。”文明(文化も含む?)”という語彙からするとすぐに利便性を連想するが、そもそも文明は農耕での食糧生産とそこから生まれる余剰農作物が前提だったことを思えば、この物語は常識・非常識も含めた大きな対立ではなく、どこかで行き違った人間の感情、意識、その延長線上の社会組織等々を描き出しているような気がするのだが…。
同時に今、世界的な問題になっている環境についても考えさせる秀作。
(上演時間2時間10分 途中休憩15分)