太陽が落ちてきた~すずなりの逸声~ 公演情報 劇団生命座「太陽が落ちてきた~すずなりの逸声~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/09/23 (月)

    大塚・萬劇場にて劇団生命座『太陽が落ちてきた~すずなりの逸声~』を観劇。
    VR(バーチャルリアリティ)の技術を使って広島に原爆が投下された1945年8月6日を体験する現代人5名の実験の様子を描いた作品。
    いやー、凄すぎました。戦争を題材にした作品はこれまでに何本も観てきましたが、ここまで惨状がリアルに描かれた作品は初めてかもしれません。全身に火傷を負い黒焦げになりながら街をさ迷う人びと、少しでも生き延びるため死体から履き物を奪う人、原型を留めていないのか他人の死体を実際の親だと間違えている幼児、子供を失い生き残った同級生のことを責める親、次第に正しい判断が出来なくなってきている人びと…など。とにかく一つ一つの情景がとてもリアルで、客席の観衆も完全に当時の世界に引き込まれていた印象です。あまりにも残酷過ぎる描写に圧倒され、改めて同じ過ちは繰り返してはならないと強く強く感じました。
    クライマックスで明かされるVR実験の人選の理由もなるほどと納得。実によく練られ作り込まれた秀逸な作品で、深い悲しみと強いメッセージを感じました。被爆体験者・桂木辰郎の少年時代役を演じた新広裕紀さんをはじめ、演者さん全員の迫真の演技も素晴らしかったです。随所に入るナレーションも聴きやすく、物語をより分かりやすくしていたと思います。メイクやBGM、照明などの演出もGood。日本人だけに限らず、世界中の人々に観て欲しい作品、観るべき作品。ぜひ何度も再演を重ねて頂きたいです。今回が初見の劇団さんでしたが、他の作品にも興味を持ちました。

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    2019/09/23 23:31

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