君恋し 公演情報 劇団昴「君恋し」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     後輩、エノケンに越され、(追記2019.9.22 03:13 華4つ☆)

    ネタバレBOX

    そのプライドと一流の実力やダンディズムから酒に呑まれ48歳で世を去った二村定一の晩年と戦中、官憲に目を付けられ、散々興業を邪魔された挙句1945年3月10日の大空襲で小屋を焼かれ千葉で細々興業を続ける北川の小屋へ女芸人一座の公演が入っていたが、売りはかつてエノケンと組み一世を風靡した二村との共演。
     然し、大きな問題があった。二村は既に死んだ、との風評や酒に溺れて、もう芸どころではないとの風の便りである。
     以下、今劇団ばかりではなく、拝見して来た数々の新劇上演劇団への印象。(文学座有志は流石にレベルが高いと感じているが)
     伝統のあると評価されている日本 の劇団の公演を拝見したくとも値段が高過ぎて自分のような貧乏人は中々観るチャンスが無いのが実情だからホントに印象でしかないが、どうも様々なコンセプトというフィルターを掛け過ぎて、肝心な所がぼやけるケースが多いように思う。劇作家のオリジナリティーに欠けるケースが多い事、主張の根幹が、作品の根本的な主張と完全なマッチングをしていないこと、その根本に己と世界を人間的な視座で見極めようとする姿勢が無い事、在るとしても極めて弱く下らない下馬評におもねる余り、根幹を見失っていることが在る。恥ずかしいと思わないのだろうか? 表現するつもりになってはいないか? 今作でも自分の大好きな作家・井上 ひさしさん、味のある俳優渥美 清さんらしき人物を登場させることで茶を濁している印象がぬぐえない。二村役の声の質は良いし、歌も上手いが自分が拝見した回で座付き作家となった井上ひさしさんらしい(このらしいという劇団説明文も様々な事情はあるのだろうが逃げであることに変わりは無い)人のたっての頼みに応えて二村がスローで歌う“君恋し”には魂が無かった。こんなものは歌でも何でもない。最初から最後迄音楽的に良かったのはアコーデオン弾きチェリー役のアコーデオン演奏。東京大空襲で幼くして家族を失ったショックで言葉を発することのできなくなった少女に寄り添う心に沁みる音作りであった。

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    2019/09/21 09:39

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