満足度★★★★
「歌劇場(かげきじょう)」は歌も多いが基本お芝居(オペラ)で、2編の最初「ふしぎなたまご」は短編、二本目の中篇「おじいちゃんの口笛」の途中で休憩となった。
チャペック作という1つ目は、以前こんにゃく座で観た「ゴーゴリのハナ」を思い出す可愛い不条理といった雰囲気があったが、残念ながら体調のせいで入眠。
2つ目は2人の子どもと初対面のおじいさん(とその友達のおばあさん)との交流を描いた、素朴で切なく美しい佳品であった。おじいさん役の大石氏の佇まいが決め手と言えるか。台本広渡常敏(原作有り)、装置は池田ともゆき、演出加藤直。
一点。最後に子どもたち2人だけによる歌(おじいさんに捧げる歌?)に移る前、うんと間を取ってほしかった。情感が湧き出す頂点で歌い出す・・くらいな感じ。
林光の音楽に出会ったのは学生時代みた映画『人間』。難破した船上の飢餓という極限状況を描いた作品でジャズ風の音が鳴る。不思議な取り合わせだが何とも印象的で名前を覚えてしまった。