リーグ・オブ・ユース 〜青年同盟〜 公演情報 雷ストレンジャーズ「リーグ・オブ・ユース 〜青年同盟〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/09/17 (火) 19:00

    座席A列4番

    イプセン唯一の喜劇いうことで、とにかく100分の舞台は、1人2役(伊東弘美、野々山貴之)1人3役(石村みか)を演じる役者も含め、踊りあり歌あり、とにかく熱気満タン、猛スピードでコミカルに終盤まで突き抜けていく。それでいて、セリフが聞きとりづらい、理解できないということもないのが素晴らしい。

    登場人物も多く、最初関係がわかりづらいのだけれど、舞台左右にクリソツ・ヘタウマの名前付き似顔絵が、うまいバランスで並べられており、そこに気が付けばすぐに苦にならなくなる。

    本来の舞台は3時間にも及ぶらしい。登場人物の多さ・関係性の複雑さを鑑みれば、正面からの舞台化は、喜劇どころか、観客にとっての苦劇になりかねないだろう。そんなこともあって、あまり評判もよくなく、上演回数も少ないのかもしれない。しかし、今回の雷ストレンジャーズの原典の刈り込みと、演出の手際の良さが、一向に観客を退屈にさせない。

    ネタバレBOX

    イプセンの戯曲には、「野鴨」や「幽霊」「ヘッダ・ガブラー」のように、人間の業に対する道徳的評価の否定と、「人形の家」「民衆の敵」のような普遍的な衆愚性への批判という2面があると思う。この「リーグオブユース」は後者に連なる作品で、きれいな(何の主張も中身もない)言葉で自らを正当化し、ポピュリズムに身を委ねる人物を嘲笑しようという、底意地の悪い戯曲だ。
    搾取や世襲制を批判するふりをして、既得権益の分け前にありつこうとする青年ステンゴール。構造的には落語と同じで、最後のオチで観客も他の登場人物も留飲を下げる。しかしイプセンは、ただ笑い飛ばすことで批評眼を持つことのない観客と、連綿と続く因習に何の疑問を持つことなく、また元の日常に戻っていく他の登場人物をも嘲笑している気がしてならない。

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    2019/09/18 17:18

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