寺洗 公演情報 サマカト「寺洗」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ああ、寺洗ってそういうことなのね
    タイトルで示されているような、ちょとしたコトバ遊び的なものと、ズレが生じる会話の応酬。
    不思議にヘンな間と、そのつなぎ。

    単なるコメディとは言い切れないような、半歩だけ不条理感漂う、じんわりした笑い。

    もっと強い柱というか、なんかそんなモノがあったら、よかったような気もするが、それだとこの劇団の持ち味と変わってしまうのだろう。たぶん。

    ネタバレBOX

    最初は、一見、ショートストーリーの羅列なのかと思いきや、なんとなくつながっていくエピソード。
    それが、「おお」っとか思わず言ってしまうでもなく、鮮やかでもなく、それほど見事でもない様は、ある意味なんとも言えないリズムが漂う。
    ま、こちらが勝手にショートストーリーの羅列かと思っただけで、普通にエピソードがつながるのは、やっぱり普通だけど。

    特に大上段に構えるわけでもない、ちょっとした設定は、コメディというよりは、あらっ、不条理へ半歩うっかり踏み出しちゃいました的な印象。もちろん意識的にだけど。

    例えば、冒頭の銀行強盗たちのやり取りは、よくあるお間抜けな強盗というの枠をやや外れているし、銀行内でのエピソードもどう考えても半歩不条理。
    さらに何をやっているかわからない会社で、給料もなく働くOLにおいては不条理以外のなにものでもない。
    そんな設定がそこここに散りばめてあるにもかかわらず、普通の日常として描かれる。
    そして、徐々にウソをついた人たちのその本当の思いが表に出てくる、のだが、特に声高になるわけでもないところが、ここの持ち味なのだろう。
    表出して、どうなんだっていうところは、大切なところだと思うが、そこがちょっと弱いけど。

    うっかりすれば聞き逃してしまいそうなコトバの遊びや、噛み合わない会話など、瞬発力のある笑いではなく、気がついたときにだけ(あるいは人にだけ)じんわりと訪れる笑い。

    なんとなく共通項がたくさんありそうな、「あひるなんちゃら」からの客演の関村さんがうまくなじんでいた。
    つまり、「あひるなんちゃら」の雰囲気に和んでしまう私には、projectサマカトポロジーも○。

    そういえば、20歳という設定で「えー」っとなったのだが、さらに「16歳」だったというオチ(?)は、かなり不条理。

    あ、地名として出てくる「寺洗」は「tell a lie」ということらしい。

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    2009/04/18 04:07

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