半ライスのタテマエ 公演情報 Sky Theater PROJECT「半ライスのタテマエ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    三世代、20年以上に亘る長い時間軸の日常を坦々と描いた物語。幸せは身近な足元にあるが、それをなかなか実感として捉えられない。当たり前のような日常がいつまでも続くと信じているが...。ラストの謎明かしは、家族との関わりをしみじみ思い、考えさせる感動シーンだ。
    本公演、半ライスどころか大盛ライス、それもとても美味しく満足できるものであった。
    また舞台美術が格子戸、障子桟のみといった枠ものが周囲の壁に掛けられている。しっかり作り込まないことによって、長い時間軸の情景を固定させず、一方、人が持っている変わらぬ優しさのようなものが枠の間から観えるようで実に巧い演出だ。
    (上演時間1時間50分)2019.9.13追記

    ネタバレBOX

    セットは先に記した枠囲いを回りに配置し、中央は木製の大きさが違うテーブルと椅子が2組。その木目が人の温もりを伝えるようだ。もちろん小物も時代間隔を表すため携帯電話からスマホに変わる。セットは時と状況によって宮坂家や梅澤家、そして高校の保健室に変わる。登場人物は1役1人で20年に亘り、年代に応じて心情の変化を演じる。そして基本的には善人ばかりである。

    この物語は、2001年に上演した作品に大きく加筆し、元々は4編の短編の登場人物の何人かがまたがって登場する構成のTVドラマに影響を受けたという。そういえば、宮坂家(教員)、井上家(寺院)、梅澤家(蕎麦屋)が中心になり、宮坂家の嫁やその元彼と今の同棲相手が何となく絡んでくる。冒頭は蕎麦屋の常連で近くの公園で運動会を計画し、というエピソードから始まる。地域密着で、そこに暮らす人々の日常をそっと観ているような人情劇。

    「死ぬのが嫌」が口癖だった教頭先生・宮坂幸太郎(宮坂家の父親)が余命半年を告げられた時、井上里(寺住職)が残された時間を家族と有意義に過ごすよう話す。それに対し、今更の思い出作りよりは...。その半年の間に行ったことがラストの感動シーン(ハガキの謎解き)に繋がる。今を生きる自分よりは、残された人生を家族、まだ見ぬ家族(孫)への思いを託すようなエンディングノートならぬエンディングレターのようだ。

    この公演、自分の近くにも居そうな普通の、いや少しヘンな人たちの坦々とした暮らし。その小さな喜び幸せ、人との繋がりが、日常を忙しく生きる自分にとって演劇という非日常で癒された。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2019/09/13 12:36

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