光の祭典 公演情報 少女都市「光の祭典」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    俳優は熱演。好感が持てた。しかし、全体の印象としては雑。設定も展開も雑に感じた。モノを創り出す苦悩と恋愛問題が絡んでくるというストーリーで、かつそれがあまり上手く機能していない様は、それこそ自主映画全盛時のダメな学生映画を見ているようだった。

    (以下「ネタバレBOX」には否定的な意見ばかり書いてますので、そんなの読みたくないという方はお読みにならないほうがよいと思います)

    ネタバレBOX

    元彼から受けた傷によって映画を撮ることができなくなってしまった女性と、優柔不断でなかなか自分の作品を作り上げることができない男性の話。

    彼らを取り巻く周囲がごちゃごちゃしすぎで、2人の関係と行動がすっきりと見えてこない。
    特に男のほうの阪神・淡路大震災への影響が、神戸ルミナリエ=故郷の懐かしい光景というふうにしか思えない。
    いきなり後半でちょこっと3.11が出てくるのだが、それも効果的ではなく、単なる過ぎ去った光景として出てくるだけ。
    つまり、オリンピックのPR動画の素材としての位置づけでしかないところに少し憤ってしまう。阪神・淡路大震災と重ねるところがあるわけでもなく。
    もう「歴史」の一部、時間を語るための単語になってしまったのか?

    そもそも学生時代の課題だったか卒業制作の映画が、国際的な映画祭で受賞するというファンタジーがダサすぎる。
    良い映画を撮ったということの証明が、国際的映画祭というボキャブラリーしかなかったということ。

    学生時代の仲間と“偶然”カラオケで出会い、その“偶然”出会った女性が“偶然”介護に訪れた家が、学生時代の知り合いだったとか、偶然が酷すぎる。

    一番酷い偶然は、(彼がいると知って訪れるのだが)道に迷ってしまい“偶然”その彼と出会うのだが、両方とも相手が誰なのか気づかない(これも酷いが)。
    そしてその場で彼が、その彼女にしたことについて、突然別の知り合いに話し出し、それを彼女が“偶然”聞いてしまう……さらに2人の話が終わったところで、“偶然”今の彼女が登場する……。
    なんという偶然!……というか、ストーリーのためだけの偶然が雑すぎ。

    フリーの照明マンが、おじいちゃんのお願いで撮ることを依頼されたのが、オリンピックの公式PRビデオって、そんなことあり? 
    そのオリンピックの公式ビデオでメインキャラのように登場するのが、日活ロマンポルノで主演をした女優ってあるかな? それは無理じゃないの?
    (劇中では「ロマンポルノ」と言っていたと思うが、ロマンポルノは日活が制作したピンク映画の名称)

    有名な監督が女好きと聞き、文字通り体当たりする女優が、見事(ロマンポルノではあるが)主演を得るというのもアリなの? って思っていると、その監督は本当は男のほうが好きということで(えぇ??)、今度は男が近づき、その彼が映画のメイキングを撮らせてもらうことになった、というのもなんだか雑な展開。
    しかもその映画のメイキングというのが、日活ロマンポルノらしい。ロマンポルノってメイキング作るの?

    それと不思議なのは「ロマンポルノ」や「山形国際ドキュメンタリー映画祭」という固有名詞が出てくるのにもかかわらず、「ぴあ」だけがなぜか「ぴお」。

    熱っぽさがいい感じだったけど、次々現れる「偶然」の雑さ加減に段々うんざりしてきてしまった。
    繰り返しになるが、阪神・淡路大震災(=神戸ルミナリエ)が全体に効いていれば、また受ける印象も違ったのかもしれないのだが。

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    2019/09/08 06:20

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