ガリレオの生涯 公演情報 こゆび侍「ガリレオの生涯」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    中世イタリア、キリスト教の支配下にて、創造主である『神』こそが絶対であった。それに対し検証できる真実のみを追求する科学者達。自説を撤回せず火炙りで処刑されたジョルダーノ・ブルーノ。同時代、ガリレオ・ガリレイは転向することによって生き永らえる。
    ナチスに国を追われた共産主義者、ベルトルト・ブレヒトの作品。観客の感情移入による物語を否定し、『教育劇』と称する客観的な事象の提示を観客が咀嚼するスタイルを提唱。知性を支配する神を否定し、人間が自由を勝ち取っていく物語の構造。ガリレオはダーウィンやニーチェと同列に語られる。
    主演、館山サリさんの存在感。一体この人は何を演じることになるのだろうか?辿り着く先が気になる。狭いスペースで工夫を凝らした役者の動線。壁に貼られた幾何学模様。細かいアイディアが面白い。実験の際の表現方法が楽しかった。

    ネタバレBOX

    重要な台詞が聞き取りにくい。『理性の勝利だ』や転向の玉音放送。古典に忠実たらんとするより、観客の理解を強めて終盤興奮させた方が良い。遠藤周作の『沈黙』に通じるテーマでもある。

    0

    2019/09/07 23:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大