ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ 公演情報 フロアトポロジー「ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/09/07 (土) 18:00

    いつもながらの「愛と死の」フロトポというところ。
    ただし、過去の作品よりかは直球だったと思う。

    観やすくはあるが、テーマ的に重いので、
    舞台を初めて観る人に薦めるかというと難しく…。

    ネタバレBOX

    まず会場に入って目に入った壁の落書き、アフロトポジローがいてほしかった。
    セリフで触れる必要はないけど、気付かれやすい感じなら小ネタとしてアリだと。
    (見落とししてないと思う)
    イラストは「もしや主宰の作品か?」と思われるのがいくつか。
    正直何か分からなかったのが多いが…終わってから聞く時間もなく。

    冒頭で落語「一眼国」のあらすじがセリフであって、思わずフフッとなる感じ。

    時代設定は太陽光発電が出てくるあたりからして近未来を想定かなというところ。
    ただ、火炎瓶が出てくるというのは時代的な対比を意図したところもあるのかな。

    燃えもせず(火葬不可)、腐りもせず(土葬不可)、ということで水葬になるわけなんだけど、ふと「鳥葬」なんて単語を思い出したり。

    それにしても隔離者のカテゴリーの名称が「ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ」ってあまりにも抒情的では?多分陸・空・海を想定しているだろうけど、そこもスケールでかいなと
    (陸・海・空ならタイトルの順番変えないといけないのだろうけど、変えると言いづらいという…)。見た目に影響するというなら分からなくないけど、特殊メイクという訳にもいかないし…。

    姉妹の情愛的なところは前作「くらげの骨」で出てきていたので、展開的にも母娘としての情愛的なところが全面に出るのかな?と思いきや、終盤ギリギリでやはり姉妹の話があって(まさかとは紅とは思ってなかった)、脚本に抜け目ないなと。役名(藍と紅)からなんとなく推察できなくはなかったかも。あと、祥子と藍が抱き合うシーンで、祥子の流す涙のタイミング及びその量がなんかよい感じに見えた。

    それと、目貫の拳銃、弾丸入ってなさそうな気がした(別に根拠はないが)。

    ラストシーン、多少力業で持って行ったなと思わなくもない。
    アリが関係するので、女王アリ的な存在に契がなったということかもしれないなとは。
    最後の邂逅で布切れが舞台上に散らばるというのは、見せ方として好きだったりする。

    観ていて、途中から星新一の「ピーターパンの島」が頭をよぎる。
    どちらも国家組織の意図にそぐわない子供たちの処遇を描いた作品であり、方向性は別にせよ、その結末が「死を匂わせる(明確に死体がある旨は描写しているわけではない)」という点でも共通していて。ただ、「ピーターパンの島」はドライさが際立っているが、こちらはそこまでではない。

    最後に、毎回思うのは「死のない」フロトポ作品を見たいなということ。
    それが仮に「蕎麦つゆのない蕎麦」であったとしても一度は。
    もしくは、再演。再演に対するスタンスを聞いたことがあるけれど、
    定着させるということではあってもいいのかと。

    0

    2019/09/07 22:43

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大