第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』 公演情報 DULL-COLORED POP「第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 第三部を観劇。休憩なしの110分。

    一回目:全くの初演ということで第二部にくらべて完成度が落ちると感じた。気になったことを書いておく。
    二回目:一回目では三分の一も見えていないことが分かった。この芝居は情報量が多すぎる! 勘の良い人以外は三回観ないと全貌をつかむことさえできないのではないだろうか。
    三回目:どうもしっくりこない。こういう方々がいらっしゃるというのは想定内というか色々見聞きするところである。若い人はあれから人生の大きなイベントが沢山あってあの記憶が薄らいでいるのかもしれないが、年寄りの私にはついこの前のことで全く風化していない。「それはそうだけどそれで何だと言うの?」ということになってしまう。

    ネタバレBOX

    ・大震災の再現は結構慌てるくらい現実感があった。

    ・しかし、その後へのつなぎが良くない。大震災後どのくらいの時間が経過したのだろうか、場所も分からない、あの老人は誰、もめている男性は誰??? 第二部を観たばかりの私でもギャップが大きすぎて町長だと合点するのに時間がかかった。第三部だけを観た人には変な老人がいただけになりそうだ。報道局長が町長の息子であることもセリフで言及されるがその関係性が何も生きていない。一部から三部を通しての家族の物語ということのアリバイ作りになっているだけだ。
    二回目⇒病院のシーンは2011年12月だと言っていた。一回目では聞き逃したらしい。また報道部長の長セリフを一回目は飽きて体が拒否していたようだ。

    ・ラジオ体操のシーンは実際にあったことなのだろうが話としては面白くても舞台では間延びするだけだった。ほどほどにして別のシーンをかぶせた方が良いのではないか。
    二回目⇒やはり無駄だと感じたが途中で止めるのも変ではある。まあこのシーンは緩急をつけるために用意したものだと思うがあまり良いタイミングではない。全体を通しての緩急のリズムが決まっていない。

    ・地図を見ると飯館村の無念さが分かる。報道局の壁に大きな地図が掛かっていると便利だ。記者がホワイトボードに取材先の概略地図を描くのでも良い。

    ・強いセリフが早口になって分かり難いことが何度もあった。個々の役者さんが落ち着けば良いだけだが逆にもっと淡々とした演出にするのも有りだと思う。
    二回目⇒非常に良く聞こえた。

    ・目を閉じていても支障がないくらいで朗読劇に近い。セットがないことが大きいと思う。ベッドを除けばまるで小劇場の舞台だ。報道局くらい椅子と机を置いての座り芝居でも良いのでは。
    二回目⇒やはり朗読劇に見えた。静止画のシーンがたくさんあるし。

    ・「かもめ」での好演が記憶に新しい渡邊りょうさんの出番があれだけなの? 懐かしの山本亘(せん)さんと共に客寄せパンダなのか。
    二回目⇒渡邊さんが前半から活躍していることが良く分かった。一回目は私のメモリーがパンクして上書きされたのかもしれない。

    ・三回目の終演後のトーク・ディスカッションが面白かった。皆さん質問よりも自分を語ってしまう。若干揶揄する気持ちがないでもないが「語りたがる観客たち」はかなり私には新鮮だった。

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    2019/08/15 05:14

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