プールサイドから、響く 公演情報 Others&co.「プールサイドから、響く」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    青春劇という題目性を則りつつも、しかるに高校演劇では上演されないだろう。建前を抉り出す。そして、「10代のいっとき」が露骨なまでにダンピングされていく。

    戯曲に注文をつけるとすれば、それは、固有名詞の使い過ぎである。安易だ。「youtube」などのメディアは展開と関わっているから致し方ないとしても、炭酸飲料をそこまでプッシュする必要性はない。いや、炭酸飲料に限らず、流行語を盛り込み過ぎだ。


    ※ネタバレ参照



    ノリをつぶさに学び、イマドキ感を構築しているようであった。未来と過去の話なのに未来感がなく、むしろ過去より未来の方がノスタルジーだったのは示唆に富む。

    つまり、過去であれ「今」は動くのだ。

    ネタバレBOX

    演出は小劇場では固有のものであったし、特別であったと思う。暗闇に光の差す教室。身を乗り、一心に祈る少女。どこか神秘的な様相を呈している。

    そこで、演劇史上に残る「独白」が始まる。オートマチックで、呪術的で、他人事で、しかし主張はしますよというドライ口調でつらつら紡いでいく台詞は、後に彼女の原型だと知るわけだが、このシーンでは まだ未知だ。自身の境遇を話していき、やがて「貧乳」の領域を侵す。それは日本の青春を象徴するカオスであった。


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    2019/08/13 21:00

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