満足度★★★★★
鑑賞日2019/08/02 (金)
上野ストアハウスにて ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン『ひのくすり』を観劇。
ちょうど1年前に存在を知った団体さん。前回の番外公演?は拝見出来ませんでしたが、本公演はこれで3回連続の観劇でした。毎回フライヤーに刻まれている “2016年の旗揚げ公演から1000人規模の観客動員を継続中!”という謳い文句が目を引くジグジクさん。確かに一度観たらその謳い文句が納得出来るというか、また観たいなーと思わせるストーリーの深みや面白みがあるので、次はどんな作品なのだろうと自然とリピーターになっているお客さんも多いのではないかと勝手に推測しています。
前回は世界観が全く異なる短編作品3本のオムニバス形式でしたが、今回は基本的には同じセットを使い回し、ともに東南アジアにある小さな島が舞台という一応関連性のある2作品の上演でした。まずこの発想が面白い。そして決して日本でもアメリカでもなく、“東南アジアの小さな島”が舞台という何とも絶妙な設定も面白い。実際に東南アジアへ行ったことはないものの、何となく知っているような知らないような妙なリアルさ?が感じられ、本当に現地での日常風景を覗き見しているかのような感覚になりました。この覗き見しているような感覚は同団体の『デイドリーム・ビリーバー』でも感じた気がします。基本的にはフィクションではあるものの、100%フィクションとも言えないような妙なリアルさがそのような感覚にさせているのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、今回の「ひのくすり」「あぶらのかほり」とても良かったです。登場するキャラクターの人間としての弱い部分、駄目な部分を最初に印象付けておきながらも、どんな人間であっても誰もが常識的な考え方や正義感、他人を思いやる温かい心などを持っていることに気付かされるようなちょっとほっこりする作品でした。2作品が絶妙にリンクし合う部分もあり、作品としての奥深さや秀逸さを感じました。さらに見た目の印象?に実にしっくり来るキャラ設定が多く、演技も皆さんとても自然体。早くも次の作品が楽しみになる今回も大満足のジグジクさんの公演でした。